山奥の秘湯の一軒家 「滑川温泉・福島屋」

夏の東京の猛暑から抜け出して、渓谷にある癒やしの秘湯でひんやりゆっくりと過ごしたいと思います。
今回の行き先は、温泉王国・山形県の秘湯の一つ「滑川温泉」です。

何かと山形県南部の街・米沢市に縁のある私たちは、これまでにも幾度となく、米沢市が位置する置賜地方の人里離れた山奥の秘湯を訪ねてきました。これら秘湯のうち、全国的にも有名で温泉好きなら誰もが知っているのは、多分「姥湯温泉」でしょう。険しい山道を苦労の末辿り着いたそのどん詰まりに、忽然として現れる絶壁の山々に囲まれた乳白色の露天風呂。このお湯と絶景を一度でも体験してしまうと、もう「秘湯ファン」の道へまっしぐら、誰もが病みつきになってしまいます。

[私たちが姥湯温泉を訪ねた時のブログ]

① 姥湯温泉!雨の絶景露天風呂も乙な風情!
2015年8月17日 ~8月19日(姥湯、檜枝岐2泊3日 1/3) 米沢八湯の一つ姥湯温泉、そして檜枝岐の伝統芸能歌舞伎を鑑賞する2泊...

今回訪れる「滑川温泉」は、姥湯温泉へのアプローチの途中にある温泉で、「米沢八湯」一つに数えられています。米沢八湯とは、山形県南部・置賜地方にある小野川温泉、白布温泉、新高湯温泉、大平温泉、姥湯温泉、滑川温泉、五色温泉、湯の沢温泉 の8つの温泉を差しますが、いずれも個性派ぞろいの名湯・秘湯がそろっています。そして、そのうち幾つかの温泉は、あまりに雪深い山奥にあるため、冬季には長期間閉鎖するという過酷な環境にあります。今回訪れる滑川温泉も、例年、4月末から11月初旬までの約半年間のみの営業となっています。

[米沢八湯MAP]

米沢八湯全制覇を目指す私たちは、これまでに八湯のうち6湯を訪れ、残るは、滑川温泉、五色温泉の2湯のみとなりました。
今回はその残る滑川温泉を体験します。温泉唯一の旅館「福島屋」に宿泊します。

福島屋への足はマイカー。例によって、いつものG太、A豆、そして、おじゃま虫のR心の3人旅です。
道のりは、東京から東北道・磐越道を経由し猪苗代で下り、ここでお昼ごはんをいただいた後、田舎道や山道ドライブを楽しみつつ滑川温泉へ向かうことにしました。

今回の行程

2019/8/9~8/10

8月9日(木)

おはようございます!
朝から今日もまた暑い一日のはじまり!
東京を朝9時頃出発、渋滞もあるかもしれないので早めのスタートです。

ランチは途中の猪苗代町の人気のお店に行ってみます。

くいものや ラ・ネージュ

人気の「ロースソースカツ丼」
この周辺は会津名物のソースカツ丼が有名なエリアで何か所か訪れています。
この店のカツも柔らかくてキャベツたっぷりの丼ぶり、一度に野菜もお肉も食べて満足です。

定番人気「天ざるそば」
十割蕎麦は白くて細さもきれい、キリッとしまって美味しかった。

おすすめの「ざるそば・ミニヒレソースカツ丼セット」
ここのお店のいいとこ取りのメニューですね。
蕎麦もソースカツ丼も食べられてお得感あり。

人気のお店と聞いて開店時間3分前に到着しましたが、すでに10数人並んでいました。座れるかなぁ?

開店時間になると、スタッフが並んで待っていたお客を一組ごと席に案内してくれます。席についた順番に注文を聞いてくれるのですが、なんと待つこと30分、ようやくお料理が運ばれてきました。多分、十割そばを出すのに時間がかかるんだと思います。
美味しいものにありつくためには焦ってはいけません。時間に余裕をもって訪れましょう!

「くいものや ラ・ネージュ」の名前とお店の外観からは、ここが蕎麦の名店だとは誰も思わないことでしょう。暖簾の「手打ち蕎麦」の文字がどこか浮いて見えます。店内も、Cafeのイメージそのものなんです。多分、「居抜き」で始めたお店なんでしょう。
でも外観や内装のイメージと違って、本格的でおいしい十割蕎麦とカツ丼が味わえました

ごちそうさまでした!

»»»»»

猪苗代町からは、高速道路を使わず、下の道でドライブします。
福島市から国道13号線で米沢方面へ進み、看板「五色・滑川・姥湯」が見えたらか左に曲がります。板谷駅や峠駅方面に進みます。

おーイイですね、だんだん山道になってきましたよ。少し進むともう周りはこのような景色で覆われます。
この辺はまだまだ道路幅が広いのですが、どんどん狭くなってゆきます。


山の上


右は峠駅


左が目指す滑川温泉

ここからはあと4km。
この辺は、姥湯温泉へ日帰りや宿泊で何度か通っています。
この先は、ところどころガードレールなしで車一台しか通れない場所などもあります。注意してゆっくりと走らないと、対向車も気をつけないと。

さらに走ると滑川温泉と姥湯温泉の分岐する道が現れ、滑川温泉はそこからわりとすぐに到着します。ちなみの姥湯温泉へはここからさらにスリリングな道をひたすら登っていくんです。

そろそろ着いたかなぁ?

滑川温泉 福島屋旅館

坂道の上に福島屋の建物があり、緩やかなスロープを登り石の階段を上がると入口になります。4枚ガラスには「滑川温泉」の文字が映えています。

玄関を入ると左手がフロントで、宿帳に記入します。
脇のショーケースには、タオルやお土産のお菓子などが並んでいます。


玄関正面にもTシャツや雑貨類がディスプレイ


フロントの左側の昔ながらの廊下

フロントの左側の長い廊下に沿った部屋は、昔のままの面影です。
よく湯治宿で見かける障子のお部屋です。

では、お部屋にご案内です。
バス・トイレ付き、2間続きの部屋です。
リニューアル間もなくの、この旅館の中では大きめのお部屋です。

入り口を入ると小上がりがあって、左手は洗面台とトイレ、襖を開けると8畳和室に座椅子付きの座卓、お茶セットなどが用意されています。そして、奥に8畳がもう一部屋、寝室用に使うよう既にお布団が敷いてありました。


HPより


床の間のTVなど


お隣は寝室

今回の予約時に、「スタッフがお部屋に入らない」タイプを選びました。
このほうが少し料金が安いし、気楽だから。
すると、入口まで案内してくれたスタッフはそこまでで、
お布団をひくこと、
お茶を煎れること、
部屋出しの食事は部屋入口まででセッティングは自分でする、
・・・などなど、すべて自分でやる
ことになります。

「旅館側はお邪魔しませんので、あとはご自身で好きなように部屋を使い、お寛ぎください」ということなのでしょう。
これもお客の考えが多様化していますから、面白いサービスです。

清潔感ある洗面台と奥のドアがトイレ。
タオル掛も設置されています。

そして窓からは・・

お部屋の窓をフルに開け放つと、夏の青々しい緑できれいに覆われた山々が目に飛び込んできます。また、すぐ前の渓流からは滝を滑り落ちる爽やかな水音が聞こえてきます。でも、外の気温は、8月中旬の昼過ぎの今の時間帯、山の中といえどもそれほど涼しくはなく、吹き抜ける風も少々生暖かい。夜になればもっと涼しくなるんでしょう。

ここからは、いよいよ待望の温泉タイムですよ!
ここ滑川温泉は、上杉藩の時代、220年も前に発見された由緒ある温泉。昔は湯治場として多くの人が訪れたといいます。

福島屋は、3つの自家源泉!を持っていて、もちろん100%源泉かけ流し
では、早速行ってみましょう!

<混浴内風呂> 湯治の一番人気

滑川温泉の内風呂は、混浴風呂になっています。
右と左の引き戸は、それぞれ男性・女性の脱衣所に繋がっています。

この感じ、風情があってイイですね!
昔ながらの湯治スタイルがいまでも継承されています。
お風呂の壁は板張り浴槽は石造り天井も高くこの組み合わせはほっこり懐かしい感じで和みます。

お湯は乳白色の濁り湯で、光の加減でこんなに美しいブルーにも見えるんですね。
かけ流しのお湯はいつも滔々と惜しげもなく浴槽に注がれていて、気持いいぃ~。


建物の裏手外観


露天風呂の出入口


岩風呂への散歩道

露天風呂の岩風呂・檜風呂に行くには、廊下の奥にある出入口から履物を替えて、外に出て歩いていきます。

<岩風呂/露天風呂>


HPより

露天風呂の岩風呂は、建物の外から川沿いを少し登っていきます。足場が少し悪いので暗くなると危ないような・・


岩風呂の奥に見えるのが脱衣所


川沿いの遊歩道

女性専用時間に露天の岩風呂に入りに行きました。

周りは対岸の山が見渡せて森林浴が気持ちのいい。
岩風呂の湯船でまったり自然を満喫・・、

と思ったら、お湯の温度が高くて熱っ!!
思わず体を半分外に出していると、
今度はえっ!アブがやって来て・・・
のんびり入浴することが出来ませんでした。
山の中の夏の露天風呂は、どこも「アブ」が厄介な訪問者。
でもしょうがないんですよね、こればかりは・・・

<檜風呂>貸切露天風呂

この檜風呂は、旅館に到着してから17:30までは混浴タイムでした。
でもG太が行った時は、他に誰も居なくて貸し切り状態たったとのこと。やはりアブがブンブン飛んでいたそうです。確かに、浴槽の縁には「ハエたたき」が置いてありました。

お湯の温度もちょうどよくて、桧の湯船に乳白色の濁り湯が絶え間なく注いでいます。
まわりは、緑に囲まれて至福の時間が過ぎていきます。
・・ちょっとゆっくりし過ぎて、立ちくらみぃ~
そろそろ上がりましょう。


HPより


桧風呂の入口

檜風呂へは建物裏側からサンダルを履いて、庭の中にある黒板塀の東屋(脱衣所)へ移動します。桧の肌触りの浴槽は、小さめ(5~6人位)で貸切り時間には家族や夫婦で気兼ねなく楽しめるお風呂です。予約の可能な時間(17:30~21:30、一組50分500円)、21:30~翌9:00は先着順で貸切りが出来ます。

次はみんなで入りたいと思い、夕食後19:45に予約しました。
時間になると露天風呂あたりは真っ暗、ほのかな明かりだけで入浴しました。

あいにく夜空には月も星のない夜でしたが、温泉ではのんびり夜の露天風呂を堪能しました。記念に撮ったはやっぱりボケボケでした。

<内風呂>女性専用


HPより

壁は木製で石造りの女性専用内風呂です。
半円の湯船の真ん中から乳白色の濁り湯が途切れなく注がれていています。
湯船は3,4人でいっぱいの大きさです。

お湯に入っていると小学生と高校生の女の子とおばーちゃんと一緒になりました。
癒やされるここのお湯が気に入って、毎年この時期に滑川温泉を訪れるのを楽しみにしているそうです。

<滑川温泉 福島屋の夕食>


<本日のお献立>>一の膳(上)、ニの膳(下)

夕食は6時からスタートです。
時間通りお料理が運ばれてきました。
でも「スタッフがお部屋に入らないプラン」なので、運ばれてきたお膳は部屋の入口まで、続きは私たちが自分でセッティングします。初めは畳に一の膳と二の膳を並べて置いて座りましたが、お膳は少し低めなので、結局、座卓に一皿一皿並べ直して載せていただくことに。

ではセッティングも済んで、瓶ビールでカンパイ!!
イワナの骨酒も頼んでおきました。

一の膳/鯉の洗い
久しぶりで鯉の洗いを食べました。
いつもは酢味噌なのですが、わさびはあっさりの感じです。

一の膳/冷汁
冷汁(ひしゃしる)は、米沢の郷土料理の一つで、具沢山のお浸しです。家庭によって入れる具がいろいろ違います。


一の膳/わらびの煮物
山の物と油揚げってピッタリのコンビで、素朴で美味しい味。

一の膳/アケビ揚
アケビ揚に山椒の葉だったでしょうか?
一の膳には、他にきゅうり漬けとスイカでした。

ニの膳/岩魚の塩焼きと天ぷら

ニの膳/野菜の煮物
里芋、しいたけ、ナス、糸こんにゃく、人参、オクラの煮物。

ニの膳/ビーフシチュー
なぜか洋風のメニューが一品。ビーフシチューの中の野菜もお肉もトロトロで美味しく頂きました。

ゆっくりとビールや骨酒を飲みながら話をして、夕食を楽しみました。地元の新鮮な食材を使った田舎料理は、期待に違わずとても美味しかったです。また、シチューの組み合わせは、なかなか新鮮で感動モノでした。
ごちそうさまでした。

食事終了後は一の膳・二の膳を積み重ねて、廊下に置いておきます。
こーゆー時はお膳っていつも思うけど、しみじみ便利グッズ、並べて重ねて運んでテーブルにと、3wayですヨ。

予約してあった「桧風呂」の時間になって、みんなで仲良く夜の露天風呂へGO!
そのあとも女性内風呂と人気の混浴内風呂など温泉三昧で過ごしました。
水分補給して、おやすみなさい

8月10日(金)

おはようございます!
朝早めに起きて、おいしい空気を吸いながら森林浴&温泉へ。
温泉から出るともう爽やかな朝というより、朝から暑い一日の始まりです。

そして朝ごはんの時間が来ました。
朝ごはんもお部屋の入口まで運ばれています。

朝食のメニューは、焼き魚、温泉卵、納豆、おひたし、お新香、焼海苔と味噌汁とご飯のシンプルな品揃えです。ご飯のお供が中心なのでついつい食べすぎました。

この後は時間まで部屋でのんびりと思っていましたが、ヤボ用が米沢にあるので、9時半と早めにチェックアウトすることになりました。

滑川温泉 福島屋は、「米沢八湯」の一つであり、また、「日本の秘湯を守る会」の登録宿にもなっています。このエリアは、雪深い山奥なので晩秋から春までの長い期間は冬季休業となります。機会あったらぜひ訪れること、オススメです。

昔ながらの湯治場の雰囲気を残した、お湯良し、お料理良し、お部屋良し、と三拍子揃った、とても良い温泉宿でした。

訪問記念に、フロントに置いてあった、インスタフレームでパチリッ!

そして滑川温泉 福島屋を後に・・・


ブログ村ランキングに参加しています!
ブログの内容がお気に召せば、クリックをお願いします!ブログを続ける励みになります。>

にほんブログ村 グルメブログ 海外食べ歩きへ にほんブログ村 旅行ブログ 源泉掛け流し温泉へ にほんブログ村 小遣いブログ マイレージへ


次の温泉はどこ?