夏の湯之谷温泉郷・駒の湯山荘

夏になるといつも思うのは、自然いっぱいの山深い秘湯の宿で、ぬる湯の露天風呂にのんびりと浸れればこんな最高なことはないだろうなということ。
私たちが作っている「全国行きたい温泉宿TOP50」の中から、今回は夏向きの宿の一つである新潟県魚沼の湯之谷温泉郷「駒の湯山荘」へ初訪問することにしました。

年に数回行かねばならない山形の田舎への途中に、遠回りして1泊の立ち寄りとしてみました。人里離れたランプの優しい灯で一夜を過ごし、湯量たっぷりのかけ流しの温めの露天風呂を存分楽しんできます。

8月22日(月)東京~ 湯之谷温泉郷

8:00 スタート 09:45赤城高原SA 11:45魚沼『そば処 富永』 13:00 湯之谷温泉郷・駒の湯山荘泊

08:00
今日も暑くなるだろうな!!さあ元気に人里離れた山奥に出かけよう!!
ひさしぶりのドライブスタート。

関越自動車道 赤城高原SA

関越自動車道は、順調に流れています。どこかでコーヒータイムしよう。
ふと考えたら「赤城高原SA」って何故か過去一度も立ち寄ったことがない、何十年も関越を走っているのに初めてのデビューとなりました。不思議ぃ~

「赤城高原SA」に売店に寄ってなにかスグレモノをチェック!!
うわっ!あったよ、この画像の昭和村のジャンボにんにくがズームインしました。
こんな大きなにんにく見たことない!
(後日家で使ったところ、鮮度が良く一粒が馬鹿デカくきれいで味もいいし食べごたえもあって感動の嵐!!次も必ず買いたい!!

売店の奥には、赤城山の緩やかな稜線が見渡せるきれいに整備されたテラスガーデンがあって、天気が良いのでここでコーヒータイム、気持ちよかった!!
こんなところがあるなんて今まで全然知らなかったんです。東京からだと中途半端な距離にあるSAだからなのかなぁ?とにかくお気に入りの「昭和村のジャンボにんにく」のためにも次からは必ず立ち寄ることにしよう。


さあ、ガンガン走ります。
気持ち良い空色、ちょうど谷川岳PAを過ぎて長~いトンネルに入ります。

魚沼『そば処 富永』

湯之谷温泉郷に向かう途中の小出市にあるそば処です。
市内の商店街から少し入ったところ、地元ではおいしいと評判のそばやと聞いています。

さて注文の一つは、定番天ざるです。
天ぷらもそばもボリュームたっぷりで盛りがよく食べごたえあります。

一つは、日替わりの蕎麦定食1000円。
びっくりなのは、メンチカツとチーズ入りメンチカツの2種類の一皿とさるそば、温泉卵にご飯とお新香と盛りだくさんの定食です。そばとメンチとの組合わせは新しい発見ですネ。

どこにでもありそうな街のそば屋さんのような外観ですが、それなりに美味しくいただきました。小出のそば屋さんで記憶しておきましょう。
ごちそうさまでした!

小出から約30分、ドンドン人気のない道路を走り、更に森林浴ピッタリの林道のような道を進むと・・あっ!見えてきました。

湯之谷温泉郷・駒の湯山荘

大きな樹木のゲートを進むと急にひらけた空間が出現し、今日の宿「駒の湯山荘」が見えてきした。山荘の名前の通り2階建ての木造の建物、玄関は田舎の実家に帰ったような雰囲気です。
時間はチェックインには少し早かったのですが、ありがたいことにすぐにお部屋に案内していただきました。

<いろり付角部屋>

いろり付角部屋、トイレ・洗面所共同の細長いお部屋です。
西と南側に窓があるので明るく広い部屋ですが、本日なんと気温がこの地でも32℃と猛烈に暑くて、お陰でこのお部屋は蒸し風呂状態でした。
その上アブ発生中につき、窓は高窓だけで他は開けないでほしいとのこと。
アブは隙間から侵入するらしい。うそぉ~


ランプ


囲炉裏

部屋にはランプが2つ付いていて、一つは電気のランプ一つは石油ランプで夕方に明かりが灯されます。電気は自家発電で非常用に近いものらしく、最低限の使用に限られているようです。部屋にテレビやエアコンなどの用意はありません。また、携帯の電波も圏外で届きませんヨ。
卓上のくるみの菓子を食べて、ぶあぁ~~!それにしても暑いっ!!と団扇をバタバタします。


お着きの菓子


炭とマッチ


浴衣

ここは冬期は雪深く営業できない場所、そして夏は避暑地だったのでしょうね、昔は。現在は暑すぎます。

 

♨ <混浴露天風呂>

駒の湯山荘の名物の「混浴露天風呂」です。あまりにもお部屋が暑かったので、こんな日には川原の32.9度のぬる湯の露天風呂ってピッタリじゃない!!
早速露天風呂に続く階段を降りて、サンダルに履き替え、川原へ続く急な遊歩道を降りていきます。ちょうど誰もいなかったので二人占めで堪能しています。


太いホースから溢れんばかりの湯量


湯船の上の岩から青々しい緑

ぬる湯はこの天気にピッタリで、湯船に入ると冷たくって気持ちいい!!上がると日差しが暑くってその上時々アブも飛んできます。
ここのかけ流しは直径10cmくらいのホースからドバドバと惜しげもなく気持ち良いほど、源泉かけ流しが溢れています。とにかく凄い湯量です。


奥は更衣室


赤い湯浴み


夏の空

混浴露天風呂へ女子が入る時は、旅館で用意されている赤い厚手の湯浴みがあり、それをお借りして巻いて入っています。
湯船の上には小さな更衣室も用意されています。

混浴露天風呂へ降りていく遊歩道は手すりがありますが、足もと気をつけないと危ない感じです。湯船の更に2mぐらい下には澄んだ川が流れていて、気持ちいい。


露天風呂の出入口


客室へ上る階段


客室への出入口

混浴露天風呂の出入口の反対側に家族風呂や女湯に続く通路があります。
この夏の時期は、どこも隙間のないようにアブ避けの淡い蚊帳で覆われていました。

♨ <半露天家族風呂/下>

ここは家族風呂エリアの階段の下に位置します。
2方向がオープンの半露天風呂になっています。ここもこの時期はアブの出現のために淡い蚊帳で隙間のないように覆われています。

♨ <半露天家族風呂/上>


涼み処


脱衣所と入口

ここは家族風呂エリアの階段の上に位置し、大きな半露天風呂と続くあまりにも広いテラスがびっくりです。やはりこの時期はアブの出現のため、ここも淡い蚊帳で隙間のないように覆われています。
少し景観的には残念ですが、アブの襲撃にあったら大変なので仕方ないですネ。

半露天の2ヶ所の家族風呂は、5~6人で入っても十分の広さがあり鍵付きの個室で楽しめるなんてかなり太っ腹なシステムです。
お湯も豊富で源泉かけ流しを十分堪能できますヨ。
それぞれ小さな浴槽は上がり湯です。


貸切家族風呂の上のドア


貸切家族風呂の入口

貸切家族風呂のドアを開けるとゴツゴツした石の階段があり、途中に上の家族風呂の入口があります。

♨ <混浴内湯/女性専用風呂>

家族風呂エリアの手前の通路には、内湯と女性専用風呂が並んでいます。
手前が女性専用風呂で赤い暖簾がかけてあります。
寒い時期や雨のときなどはこのクローズしたお風呂も安心です。

駒の湯山荘 夕食

夕方6時に1階お食事処にて夕食がスタートします。
基本宿泊客が一同に介していました。
それぞれお部屋ごとにテーブルの上にスタートのお料理が用意されていました。
これがなんとも美しい限り。
山の中の山荘には似つかわしくないセッティング??
漆盆に朱の漆塗りで統一された器に盛られたお料理の数々が並んでいます。

煮物は、車麩やしいたけ、人参、いんげん、こんにゃく、ぜんまいなど

宿の名物「魚沼牛のユッケ」、新鮮な地場産をタタキにしているそうです。
山荘でこんなクリーミーなお肉に会えるなんて!


鶏ササミの生ハム


香の物


山菜


山菜


山菜

一皿一皿素材を吟味して、山の恵みの山菜や地場の農産物を利用し考え出されたメニューが並んでいます。最近の旅館のお料理はすこしありきたりな代わり映えのしない献立が多い中、素材を活かしたシンプルなここの食事に感動しました。

みなさんが席につき食事の始まった頃に、宿のご主人が食事の解説やランプのこと、宿に関わる事などをお話されました。今の時期のお昼は「アブ」に悩まされますが、夜9時になると不思議にいなくなるとのこと。
へぇー、本当っ!勉強になりました。


しいたけの天ぷらなど


南蛮ししとうの天ぷら

そして驚いたのは、熱々の揚げたてのしいたけの天ぷらがサーブされて、少し立ったら次の揚げたての山菜が、そしてまた揚げたての南蛮ししとうと、厨房で一種類づつ揚げたての天ぷらがテーブル毎に運ばれてくるんです。
これってカウンターの天ぷら屋ですヨ。
天ぷらは「笹川流れの藻塩」で、これもいい塩梅でした。


ご飯と豚汁


笹団子


食事処

最後にご飯と鍋ごとの豚汁が届き、これも楽しいサービスですネ。
4種類の香の物と一緒にご飯も美味しく、豚汁も山荘にピッタリなメニュー。
最後に笹団子とプラムはさすがにお腹いっぱいなので、お部屋に持ち帰り後でお風呂上がりにでもいただきます。

趣向を凝らした山荘の食事はとっても記憶に残る一時でした。
ごちそうさまでした!

♨ <日帰り専用混浴露天風呂&女性風呂>


オープンな混浴


混浴の脱衣所


混浴の長椅子

日帰り専用混浴露天風呂は、山荘の隣の棟にあります。
浴槽と脱衣所はオープンな造りです。湯船の真ん中から湧き出る天然かけ流しの湯量はびっくりの噴水状態です。

日帰り専用女性風呂は、赤のれんの入口から入ります。隣の専用混浴露天風呂にも中からドアがあり、繋がているので大きな露天風呂にも出入りできます。

22:30
ごはんの後は少し休憩してから上の家族風呂に時間をかけてまったりと入り、お部屋に戻って缶ビールでカンパイ!
その後おやつを食べながら本でも読もうかと開いたのですが、薄暗い部屋で知らないうちにぐっすり寝入っていました。ここは暗くなったら寝るのが一番。
おやすみなさい!!

8月23日(火)湯之谷温泉郷 ~ 新潟

8:00 宿スタート 09:45赤城高原SA 11:45『新潟 かつ一白根店』 13:00道の駅 花夢里にいつ   『庭園カフェ いちしま』 岩舟町・中村屋きんつば 山形へ(旅はここまで)

おはようございます!!
窓から見えるのは緑の森、窓の下から川の音が心地よく聞こえ、ちょっと雲がかかった朝です。もう家族風呂に入って朝風呂を楽しんできました、やっぱり暑い~~。

駒の湯山荘 朝食

駒の湯山荘の朝食は8時からいただきました。
朝食も同じ漆盆に朱椀、これだけでも心躍ります。

朝食の定番の納豆ですが、「越後で最高の大豆を使い納豆の全国大会で日本一を二度受賞した大力納豆、こだわりの一品です」とのこと。早速大粒の納豆をかき混ぜて一口口に入れるとしっかり歯ごたえの大豆の味を感じます。なるほど

かじか甘露煮や切り干し大根

夏の豆腐、香の物3種

ご飯となめこ豆腐味噌汁と朝のジュース
さりげないけどすごくいいバランスの良い朝ごはんです。


朝も味噌汁は鍋ごと


朝のお食事処

山荘のスタッフにもお客さんにもよく考えられたメニューで、懐かしい日本の朝ごはんの原風景のようでした。ごちそうさまでした。

»»»»»


玄関前の廊下


山荘のフロント

今日も朝から気温が上がりそうな気配なので、早めにでかけます。
フロントの前の囲炉裏には数人の先客がコーヒーを飲んでいます。
お話しを聞いていると皆さんは、凄い何十回も訪れているリピーター達のようでした。
人気絶大なのがよくわかりました。
9時15分になったので、フロントで精算し出かけます。
駒の湯山荘は、天然かけ流しの湯量も料理も、豊かな癒やしの空間でした。

越後豪農の館「椿寿荘」

越後豪農の館「椿寿荘」は、駒の湯山荘から約100kmで、新潟の中部エリアを走り1時間40分かかりました。場所は新潟市よりも内陸に入った場所です。
明治~大正時代、巨大地主は新潟に5家がありその中のひとつ「田巻家」です。

田巻家は江戸末期、不況で仕事のない小作人の仕事を作るために、当時日本三大名人の一人の宮大工松井角平に依頼し、約3年半をかけ寺院様式の離れ座敷「椿寿荘」を建築しました。

屋敷は、建坪約140坪、ヒノキを使った重厚な寺院様式で、クギを一切使わず仕上げている。目を引くのは、随所に使われた銘木。樹齢800年の会津欅(ケヤキ)をふんだんに使った玄関と露縁。菊を透かし彫りした欄間のクスノキの1枚板。
圧巻は露縁のひさしのけたに使われた約20メートルの節ひとつない吉野杉。大阪から海路、新潟から信濃川をさかのぼって運ばれました。(HPを参照)

庭園も広くよく管理され枯山水の庭園も見もので、随所に銘木が植えられています。四季折々違った景色を見ることができ、特に紅葉の季節は圧巻のようです。

越後豪農の館「椿寿荘」は、吉野杉や会津欅を1本も釘を使わずに建てられたことに感動します。大広間のにある菊花の彫刻など昔の匠の技の素晴らしい技術が圧巻でした。

越後豪農の館『椿寿荘』 < 800円 >
入場券 大人@400円

新潟『かつ一 白根店』

今日のランチは久しぶりにとんかつです。
先程観光した場所の近くにある「かつ一 白根店」は、ファミレスっぽい作りの店内ですが、こだわりの素材「しろねポーク」を使用しています。肉質が柔らかくてジューシーで美味しいと評判です。
確かにロースもヒレかつもとっても甘みがあって美味しかったです。
食後のアイスコーヒーも濃厚で美味でした。

新潟『かつ一 白根店』 < 3,520円 >
ロース・ヒレかつ定食


この後は新潟から山形に入りガンガン車は走らせました。
昨日から真夏のドライブを気持ちよく楽しみました。
そしてこの旅はここまででおしまいです。

お疲れ様でした・・

< 旅を終えて >

駒の湯山荘は期待通り、いや期待を上回るとても良い温泉宿でした。宿泊当日は異常熱波の影響で、この山の中にも関わらず32℃を超えるうだるような暑さでした。
その分、真っ青に晴れ渡った空のもと山々の美しい緑に囲まれながら、ラッキーにも、ぬる湯の露天風呂を誰に邪魔されることなく長時間にわたって楽しむことができました。また、宿で出される地元食材による地産地消の素朴な料理の数々は、普通の旅館料理とは一線を画すとても美味しく素晴らしいものでした。

この宿は「日本秘湯を守る会」の会員宿ですが、わたしたちが過去訪れた数々の会員宿の中でも、もっとも「秘湯」の名にふさわしく、そして思い出に残る宿となりました。当日は平日にも関わらず満室で、しかも宿泊者の殆どがリピーターであると知らされ、なるほどと合点がいった次第です。私たちには未だ訪れたことがない魅力的に思う温泉宿が全国にいくつもあるので、同じ宿にそうそうリピートする機会は少ないものの、これからもぜひ再訪したいと思わせる宿の一つとなりました。
あーあ、行きたいとこだらけでどうしよう? もっともっと時間がほしい(お金も)!!


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