Palermo① パレルモへ移動、滞在拠点のアパートはマッシモ劇場のお隣、センスよく抜群の眺めで素敵

長年の夢だったシチリア島への旅、１９日間にわたった今回の旅行を、その行程に沿って、『ナポリ編（前半）』、『シラクーサ編』、『パレルモ編』、『ナポリ編（後半）』に分けブログにしました。

ここからは、『パレルモ編』。シラクーサからの長距離高速バスでパレルモに到着したところから話は始まります。

ここで、話の流れを理解しやすくするため、今回の旅行の全体行程を、再度、整理しておきましょう。

■プランニングと全体旅程
「ANA特典航空券で欧州便ビジネスクラス、しかも３人旅」という特典枠での予約が非常に取りづらい条件のもと、日本からの飛行ルートや席確保の可否、シチリア島へのアクセス方法などについては、計画段階からかなり煮詰めが必要となりました。

あれこれ試行錯誤しながら検討した結果、最終的な旅程は次のようになりました。

［往路］
・飛行機便；東京⇒（ANA）⇒ブリュッセル⇒（LH・フランクフルト経由）⇒ナポリ
・ナポリからシチリア島へのアクセス；ナポリ⇒（陸路・イタリア国鉄）⇒シラクーサ
［復路］
・シチリア島からナポリへのアクセス；パレルモ⇒（海路・夜行フェリー）⇒ナポリ
・飛行機便；ナポリ⇒（LH・フランクフルト経由）⇒ブリュッセル⇒（ANA）⇒東京

日本から特典航空券でビジネスクラス３人利用可という欧州便は限られてしまい、１年前の予約にもかかわらずやっと席が確保できたのが上の便です。
シチリア島に飛行機でアクセスするには、スターアライアンス各社便の組み合わせではまず無理で、仕方なく行き帰りとも一旦ナポリを目的地とし、そこからシチリア島へ改めて往復する旅程となりました。
ナポリについては図らずもシチリア旅行の前後に滞在することになりましたが、これはこれで考えようによってはプラスの要素。徹底的に、遊びに、グルメに、楽しみ尽くすことにしました。

ナポリ⇔シチリアの交通手段についても、ここは折角の機会だからと、「行き・鉄道」、「帰り・フェリー」にしました。時間は少々かかったとしても、移動手段そのものを楽しめる旅、として変化をつけてみました。

シチリア島内は、シラクーサとパレルモの２つの街を拠点にし、他の街の観光スポットには、そこから鉄道、バス、タクシーを使って日帰りもしくは１泊のショートトリップとすることにしました。大きな荷物を引きずりながら毎日のように忙しくあちこち街を巡るのではなく、拠点の街に腰を据え、少しゆったり目の無理のない旅程としました。

では、『パレルモ編』。どうぞ御覧ください。

■ スケジュール『パレルモ編』
＜2018年＞
５月12日～５月15日　ナポリ滞在
５月16日～５月20日　シラクーサ滞在
５月21日（月）シラクーサからパレルモへ、高速バスで移動 このブログ
５月22日（火）市内を巡り、夜はマッシモで『フィガロの結婚』
５月23日（水）近郊のチェファルーへ1 day トリップ
５月24日（木）待望のアグリジェントへ1 day トリップ
５月25日（金）市場はしごで昼食、ノルマン宮殿
５月26日（土）州立考古学博物館、ヴィッチオ市場
５月27日（日）パレルモ⇒ナポリの戻りは夜行フェリーで
５月28日～５月30日　ナポリ滞在

2018/５/21（月）旅は10日目 ☀ パレルモ

今日は、シラクーサから高速バスでパレルモ中央駅のバスターミナルに到着。マッシモ劇場のすぐ横の古い邸宅をリノベした素敵なアパートメントホテルにチェックイン。
パレルモ初日は、クアットロ・カンティなどアパート周辺を散策し、夕食は、買い出した食材で家ごはんにすることにします。

11：45
シラクーサから3時間45分、少し遅れてパレルモのバス停に到着しました。

シチリアでは島内のバスネットワークが発達しています。特に、州都であるここパレルモは島内の主要な街と高速バスで繋がっていて、鉄道よりバスの方が所要時間が短く、また、運行本数も頻度高く便利です。
パレルモの長距離バスターミナルは、国鉄パレルモ中央鉄道駅のすぐ裏手に位置しています。バス停で下車したら、鉄道駅の構内を歩いて抜けて市内へアクセスします。

バスターミナルから鉄道ホームを横切って正面玄関へ。
外に出るとタクシー乗り場が見えてきました。
とうとう来たぞぉ、パレルモへ。

・・

タクシーでマッシモ劇場へ行き、広場に面したサービス・アパートメント『アル・マッシモ』を探します。
大きな建物（マンション）の一部がアパートメント・ホテルとなっています。エントランスの場所が判りにくかったけど、この入口のドアの画像をGoogleで事前にチェック・確認していたので簡単に見つけることが出来ました。上の写真のカフェのすぐ横、ごげ茶色の大きなドアがそれです。
私達が到着した時はこのドアは空いていて、建物入り口の管理人室に人が見えたので声を掛けると、すぐにアパートのスタッフを呼び出してくれました。
スタッフ曰く、部屋の清掃とセッティングがまだ終わっていないので、40分後に来てくれとのこと。
では荷物を管理人室へ預け、チェックイン前にランチに行くことにします。

パレルモバス停～TAXI　＜ 15 € ＞

　Ristorante Da Bacco

アパートから歩いて１分、マッシモ劇場からすぐ向かいの路地オロロージョ通りには、小さなレストランが軒を連ねています。混んでいるところ、すぐ座れるところ・・いろいろありますね。迷いましたが、テラス席が気持ちよさそうだったから、ここ『Da Bacco』に決定。

アパートメントの場所もわかり荷物も預けたので、一安心です。
パレルモの地で最初のカンパ～イ！！
サーブされたゴマパンもおいしい！

とりあえず軽いランチ、トマトソースボンゴレとカルボナーラ。
思ったよりもボリュームが少なかった！！
もう一品頼めばよかったかしら？

ランチを食べたオロロージョ通りはこんな感じです。

Ristorante Da Bacco　＜ 28 € ＞
カルボナーラ、トマトソースボンゴレ、ビール、水

約束のチェックイン時間になったので、アパートに戻ります。

● パレルモアルマッシモ（Palermo al Massimo）

今日から宿泊する「パレルモ・アル・マッシモ」は、以前は富裕層が住んでいたマンションをモダーンにリノベーションした３室からなるホテルタイプのアパートメントです。私達のお部屋はそのうちの１室、主寝室・リビングルーム・キッチン＆ダイニングコーナーからなる１LDKで、広さは62 m²、天井が３ｍ以上ある、このアパートの中では最も広いタイプのお部屋です。
アパートがある場所は、旧市街と新市街のちょうど真ん中あたりで、パレルモの主な観光スポットにはほとんど徒歩でアクセスでき、少し足を伸ばせばパレルモ鉄道駅やフェリー乗り場にも歩いていくことが可能です。
周りにはレストランやカフェ、スーパーなどもいろいろとあり、食事・買い物にもとても便利な場所です。マッシモ劇場前は、観光客やパレルモっ子で夜遅くまで賑わってます。

HPより

ドアで仕切られていないけど、TVの棚の向こう側に主寝室があります。テラスに出られる両開きの扉がリビングに２ヶ所、寝室にも１ヶ所あり、光が入りとても明るく風通しも抜群。

リビングと主寝室の壁面にはクロゼットとドアがあり、ドアはバスルームに繋がっています。
唯一バスルームだけドアで仕切られていますが、あとは仕切りがなく、ワンルーム風に広く使えます。

クロゼット

HPより、バスルーム

ちょっと残念なのが、バスタブ無し、シャワールームだけなんです。
水圧などは◎で、ふんだんにお湯が使えます。

天井と壁・チェストや棚は真っ白、床は少し木肌を残したナチュラルなフローリング。
飾られているオブジェや小物は、殆どがモノトーンで統一されています。
スタイリッシュだけどシンプルなインテリアが居心地good。

窓の外には・・

ご覧ください！なんともゴージャスな眺めでしょ！
テラスからもお部屋からも、パレルモのランドマークの「マッシモ劇場」が目の前なんです。絶景の部屋なんです。

この素晴らしく眺めのいいテラスでワイン飲みながらマッシモを眺めて過ごすぅ～！
そんな贅沢ができる６日間のプチスティがスタートです。これからの毎日が、とっても楽しみ！

【このホテルの予約】
○ホテル名；パレルモアルマッシモ（Palermo al Massimo）
○選んだ決め手；パレルモ滞在6日間の拠点となるので、広く快適なこと、キッチン付きアパート、どこに行くにも便利な街の中心地という条件で探しました。決め手は、何と言ってもマッシモ劇場のすぐ横という絶好のロケーション、そして素晴らしい部屋からの眺め、ホテルの紹介写真を見て一目惚れ。
○予約サイト；booking.comのこのページから予約、『アル・マッシモ』を取り扱っている予約サイトはココだけみたい
○予約内容；
・利用日；2018/5/21-27（6泊）
・人数；3人
・部屋；デラックス・アパートメント「La Cala」62㎡
・料金；６泊合計990€（一泊平均165€、約21,300円）

16：00
チェックインを終え荷物もざっと片付けたので、アパートの外に出て、まずは目の前にある愛すべきマッシモ劇場をじっくり観察することにしましょう。
本日はオペラなどの公演はないので、大階段の上まで自由に行き来できるようです。

● マッシモ劇場

おぉ～、下から見上げるとますます威風堂々なファザード！
マッシモ劇場は、パレルモが経済的に著しい発展を遂げた古き良き時代（ベル・エポック）を象徴するオペラ劇場で、1897年に33年の年月をかけ完成しました。
「マッシモ massimo（=最大 MAX）」の名の通り、巨大な歌劇場は迫力満点、見上げる者を圧倒します。舞台の規模では、ウィーンのオペラ座、パリ・ガルニエ宮のオペラ座に次いで、ヨーロッパで3番目に大きいオペラ劇場と言われています。

赤絨毯が敷かれた（写真は5/26撮影時のもの）マッシモ劇場の大階段です。
映画「ゴッドファーザーPART III」のあの有名なワンシーンが浮かびますね。アル・パチーノ扮するマイケル・コルレオーネ、その息子が主役を務めたオペラ公演が終わったあと、家族と共にこの大階段を下り帰路につこうとしたその時、マイケルを狙った銃弾が発射され、彈はそれて娘に当たり倒れ込むあの場面！スローモーションのように、今でも私の脳裏に焼き付いています。
あの名場面がこの大階段で撮影されたんですね。ワォ～

階段上の円柱の隙間から覗く建物が「パレルモアルマッシモ」、今日から宿泊するアパートメントです。私達のお部屋は、建物３Fで木々の上に見えている右角の窓３つ分。マッシモ劇場とは目と鼻の先、お隣さん同士です。
凄いところにあるでしょう、なぜかちょっと自慢だったりして？！

では、パレルモ初日は土地勘を掴むことを兼ねて、アパート周辺をブラブラと散策してみることにしましょう。
最初に訪れたのは、マッシモ劇場正面の路地にひっそりと店を構えるショップ・・

● La Coppola

シチリア生まれのコッポラ帽のお店。生地はイタリア製でどれも手作りです。
柄は豊富で定番からカラフルで可愛い生地もあり、シチリア庶民に、世界の有名人に、愛され続けている帽子です。お値段は、殆どが50€前後。シチリアに来た思い出に購入することに。

このお二人がオーナーたち？！
そして購入したのが、この渋めで暖かそうな秋冬用のウールのコッポラ帽。次の秋が楽しみです！

・・

アラッ、イタリアの看板ネコ！路地に住みついているネコ。
シチリアは犬よりもネコが目立つような？気がします。

マリオネット劇場と向かいにある制作アトリアのようです。
アトリエを覗いていたら、ドアに貼っているポスターの彼がドアを開ている方なのでは？

・・

このエリアのメインストリート・マクエダ通りです。
お土産など売る雑貨屋やカフェ、デリカテッセンなどが並んでいます。
もちろんマッシモ劇場から繋がる歩行者天国、観光客でいつも賑わっています。

さらに歩いていくと、

● クアットロ・カンティ（Quattro Canti）

振り返ってマッシモ劇場方向を見ています。
マクエダ通りと、ビィットリオ・エマヌエーレ通りとが交差する、四つ角の建物の半円状の壁面の彫刻が凄いです。

車が通り抜けたすきに観光客は交差点の真ん中まで歩いていって、そこから四方の建物のPhotoをパチリッ。
あぶない！と知りつつ、わぁ～スリリング！

四つ角の一番下の部分には、四季をイメージした噴水が設けられています。２段目は歴代総督、３段目には街の守護神などが見下ろしています。

次は、すぐ先のプレトーリア広場に移動です。

● プレトーリア広場

市庁舎前の広場で、パレルモ観光に欠かせない場所です。
真ん中のプレトリアの噴水は、1580年の作。

噴水広場は円形の２層で構成され、１階の土台部分は動物たちの彫刻、また階段上の円形池はギリシャ神話の神々の彫刻で囲まれています。それにしても、裸体の彫刻ばかり、裸のオンパレードですね。

あまりの裸づくしなので、当時は「ピアツッア・デラ・ベルゴーニャ（恥の広場）」とか呼ばれていたとか。今やパレルモの撮影スポットとして、特に結婚式の記念写真などでよく利用されています。

少し先の奥の小さな広場には、

ベッリーニ広場です。正面の左は「マルトラーナ教会」、右には赤い丸屋根が特徴の「サン・カタルド教会」。入ろうとしましたがもうすぐクローズの時間なので後日改めて来ることにします。

ここからアル・マッシモ（宿泊のアパート）方向に戻ります。

マクエダ通りを歩いていて・・

Sud Antica Forneria Siciliana

ふと立ち寄ったお店は、ガラスケースに美味しそうなお料理がズラリと並んだ、ちょっと高級そうなお惣菜店。

ガラスケースのお料理を品定めしていると、背後から日本語で話かけられて、振り返ると日本人の若い女性の店員。
彼女オススメのパレルモの伝統料理３種類、イワシフリット、カポナータ、チーズ肉巻きを購入、今夜の家ディナー用にテイクア・ウェイすることにしました。

彼女は子供の時から海外生活が長く色んな国で暮らしていて、このお店は１ヶ月前から働いているそうです。パレルモの楽しい旅ができるように2，3アドバイスしていただきました。
ひとつ：スリなどが多いからバッグは短め前に持つように！
ひとつ：夜は暗い人気のいないとこは歩かないこと。
ひとつ：日本女性は暑い時期も長袖着ているからすぐ見分けがつくそう。
そして近所のスーパーマーケットの場所など教えていただきました、グラッチェ！
待つ間のひとときでした。

Sud Antica Forneria Siciliana　＜ 29 € ＞
イワシフリット、カポナータ、チーズ肉巻き（ちなみに多めの生野菜とパンも）

さらに通りを進みます。

Arancine d autore

ここはアランチーノ（ライスコロッケ）の専門店です。中に入れる具は多種多様、ざっと１０種類ほど。
アランチーノはパレルモのストリートフードで、観光客はほぼみんな一度は口にする定番B級グルメ！！今日は持ち帰って、家ごはんのメインディッシュにしましょう。

Arancine d autore　＜ 5 € ＞
きのこ、ズッキーニ　２コ

さらにマクエダ通りをマッシモ方向に戻っていると、右手に三角の２股通りがあって角に小さな「Asian Market」があります。ここではランチの帰りの際、ワインとビールを購入してあります。アル・マッシモに最も近いミニマーケット、なにかと便利。
ここからマッシモ劇場の前を通り越して、先程の惣菜店日本人店員に教えていただいたスーパーを目指します！

Coop / スーパーマーケット

Coopって全世界にあるんですね。それなりになんでも揃っていました。
ここのワインコーナーはで選んでいると、隣りにいたイタリア紳士が、
「これがいいよっ、他では12€で売っているけど、ここはいつも10€で、しかも今日は特売で８€のスペシャルプライス、絶対オススメでうまいよっ」といって、勝手にカゴに１本入れてくれました。なので信じて４本購入（実際、イタリア紳士が言うように旨くって抜群のコスパでした。その後も何度もこのワインをリピート買いしました）。ほかにオレンジとヨーグルトも。

Coop　＜ 38 € ＞
ワイン4本、オレンジ、ヨーグルト

では「アルマッシモ」に戻りましょう。

ここはCoopがある通りでヤシの木やベンチもある遊歩道のようです。
そして警官は馬にまたがってパトロール中！

マッシモ劇場前に戻ってきました。
Coopは歩いて８分位の場所、案外近いですね。

19：00
パレルモを夕方３時間駆け足で散策しながら、家ごはんの食料を購入し戻ってきました。
ドア前エントランスで見上げたら、改めてなんて素敵なアパートメントにプチスティしているんだろうか！！感激。

5/21夜・家ごはん

デリカテッセンなどで調達した食材で、家ごはんスタート。
最初にグビッとビール飲んで、次は赤ワインでカンパ～イ！
家ごはんの醍醐味は、お酒も気にしないでガンガン飲めることぉ～。

この一皿は Sud Antica Forneria Siciliana からテイクアウェイしたイワシフリットとチーズ肉巻きです。赤ワインにぴったりね。
イワシフリットはイワシにパン粉やナッツをちらしてオーブンで焼いたモノ。
チーズ肉巻きは伝統的なシチリア料理で肉にチーズを巻いて月桂樹の葉を乗せグリル。

これこそシチリアの定番料理「カポナータ」、ナスやズッキーニのトマト煮込み。
パスタに絡めても美味しそう！

スーパーで買ったイタリア紳士オススメの赤ワイン『SEDARA』。ちょっと見、ボトルのラベルや顔は高級な感じはなく大して美味しそうじゃないけど、この値段なのに、驚くほどうまくって大正解！！（日本に戻ってから調べたら、このワインはシチリアでも代表的な人気ワインの一つで、日本での販売価格は3,000円弱でした。）
そしてSud Anticaのパンと生野菜、彩りもいいし付けてもらって良かった。