Palermo⑥ アグリジェンドは第一級の世界遺産、決定版『神殿の谷・完全ガイド』詳細地図付き

■ スケジュール 『パレルモ編』
<2018年>
5月12日~5月15日 ナポリ滞在
5月16日~5月20日 シラクーサ滞在
5月21日(月)シラクーサからパレルモへ、高速バスで移動
5月22日(火)市内を巡り、夜はマッシモで『フィガロの結婚』
5月23日(水)近郊のチェファルーへ1 day トリップ
5月24日(木)待望のアグリジェントへ1 day トリップ このブログ後半
5月25日(金)市場はしごで昼食、ノルマン宮殿
5月26日(土)州立考古学博物館、ヴィッチオ市場
5月27日(日)パレルモ⇒ナポリの戻りは夜行フェリーで
5月28日~5月30日 ナポリ滞在

2018/5/24(木)旅は13日目後半 アグリジェント

イザっ!いよいよ、ユネスコの「世界遺産」神殿の谷を訪れます。
神殿の谷に関する情報は、ガイドブックやWEBサイトにも多く載っているもののイマイチ全体像が分かりにくい。街からのアクセス方法、バスルート、遺跡エントランスの位置、入り口出口の区分、チケット購入方法、「神殿の谷」内の遺跡の分布、見学ルート、休憩箇所、飲食スポット、景観ポイントなどなど、事前にはもう一つ掴みきれませんでした。
なので、以下では、これから「神殿の谷」を訪れようと計画されている皆さんにも参考となるよう、できるだけ詳しく、そしてわかりやすくご紹介していくことにしましょうね。
(パレルモ駅からアグリジェンド駅、州立考古学博物館での予習、ランチ休憩、そこからバスに乗って神殿の谷に来るまでのお話は、この一つ前のブログをご参照ください。)

13:45
とうとうアグリジェント・神殿の谷に来ました、バスをおります。
天気も最高に晴れ渡っています。熱中症にならないように気をつけて。

アグリジェント・神殿の谷 /Valle dei Templi

<神殿の谷・Map>クリックで拡大画像

<神殿の谷・Map>で全体像を把握しましょう。
上のMapと番号を照らし合わせてチェックしてください。
名称を乗せたところを重点に訪れました。
バス停は、神殿の谷/ PORTA V(左下)の T.入場券売り場・P.駐車場などの近くです。

<神殿の谷・Map>T.入場券売り場周辺
バス停で降りエントランスのサインに従って進むと、サーモンピンクの建物が見えてきます。

左:入口を入ってすぐに振り返った景色
右:荷物のセキュリティチェックをし、トンネルを通過します。

トンネルを過ぎると、木陰のある小さなショップ(クローズ)が見え、左右に木々の小道が続きます。

しばらくしてゆるい登りに差し掛かると、もう石がコロコロっとはじまり、無造作に古代遺跡が転がっている景色が現れます。ウワォ~
さらにどんどん坂道を登りながら両脇には崩れた石が・・

《 ディオスクロイ神殿 》

<神殿の谷・Map>⑪
ここはチケットボックスから来ると一番最初に現れる場所で、谷の西側に位置します。
頭が大きくって、4本の柱が残っている印象的なディオスクロイ神殿。
カルタゴ軍に破壊され、ヘレニズム期に修復されたものの地震で倒壊。
1832年に周辺の断片を利用して復元されたものです。

ディオスクロイ神殿は、待ちに待った遺跡群なので思わずいろんな角度から撮りまくり。
中には柱が3本に見えるショットもあって、面白いです。

《 ゼウス(ジョーヴェ・オリンピコ)神殿 》

<神殿の谷・Map>⑧
神殿のイメージもなく崩れた石の丘の状態です。基階だけが残る112.6×56.3mのギリシャ建築最大級の遺跡のようです。なんと柱の高さが17m。崩れた石のU字型の溝は運搬時に麻紐を掛けたと言われています。

ちょっと遠目から見た一枚です。
建造が未完成のうちにカルタゴによって破壊され、地震によって完全に倒壊したようです。

あっ、遠くに円柱が見えてきています。
少しまだ先ですね。その前に、

巨大な人像柱テラモーネは 7.75mの高さで神殿を支える柱の一部。
そしてこれはレプリカです。オリジナルは先程訪れた考古学博物館に展示されていました。
博物館では1,2階を吹き抜けにした壁に縦に展示されていてものすごく巨大に見えました。
ここで横たわっている方がスケール感小さく感じます。

今にも崩れそうな石の小丘の上に乗っかっている割れた丸い部分は、博物館で見た神殿のミニチュアの円柱の上部分(白い円)と同じですね。離れてみたらとても大きい塊です。
そして先程見た人像柱テラモーネ 7.75mがこの画像のように立っていたんですね。
凄~いの一言!

・・
入口からここまでは約1時間経過してます。
モーレツな日差しがふり注ぎ、カラカラになってきている!木陰で少し休憩します。

この神殿の谷のオアシス!!
みなさん汗が吹き出て、とりあえず水分を摂って飴玉も。
とにかく日陰がほとんどないので、休憩も計画に!
・・

じゃ、次行ってみよう!
ここまでは敷石の小道が続いて、向こうに見える小橋を渡ります。

ヘラクレス(エルコレ)神殿

<神殿の谷・Map>⑦
8本の柱が残っているエルコレ神殿ですが、古代アグリジェントで最も崇められたとういヘラクレスに捧げた神殿で、日本ではヘラクレス神殿の名で知られています。またアグリジェント最古のドリス式神殿といわれており、紀元前6世紀頃に建てられ、その後倒壊しました。1924年頃にハードキャッスル卿によって、8本の柱が復元されました。

このエリアは南側が開けていて、遠くに海も見えます!
海の向こうはアフリカ大陸。

エルコレ神殿の先から広めのヘラ神殿に続く聖なる道の途中に合流します。
小道の左右の低い石垣からわかるように、見た目よりも勾配があります。
かなり足に負荷がかかります。履き慣れたスニーカーがオススメ!!

ヴィラ・アウレア

<神殿の谷・Map>D.ヴィラ・アウレアクリエイティブラボ
うわぁ~、周りが古代遺跡群の中に美しい佇まいの館が目を引きます。
この建物は英国軍艦の船長だったアレキサンダー・ハードキャッスル卿の住居です。1921年頃にアグリジェントに旅し、この地に魅了された移り住むことになりました。彼は私財を投じてヘラクレス神殿の8本の列柱を復元し、発掘と修復に尽力されました。
館は現在は管理事務所として使用しています。

まっすぐ伸びた坂道の先!
オオォ、目の前に近づいて・・


コンコルディア神殿

<神殿の谷・Map>③
いよいよ「神殿の谷」の一番のおすすめスポット!
広く開けた絶好の場所に立つドーリス式の優雅な姿のコンコルディア神殿。
この中で最も保存状態がよく、大きくて堂々としています。

前面の6本の柱、側面の13本の柱はほぼ完全な姿が見られます。
円柱にはもともと鮮やかな漆喰が塗られいたそうです。

初期キリスト教時代に聖ペテロ・パウロ教会として転用されたために高い保存状態で保たれてきました。

コンコルディア神殿と現代アートのコラボ!

このブロンズ像は、ギリシャを飛び立ったイカロスが羽が折れて落下した姿をイメージしたもので、ポーランドの作家より寄贈されました。
古代遺跡とのギャップが面白いので、みなさんここでシャッターチャンス!!

この聖なる道の一番東に向けてどんどん坂道を登っていきます。
うぅぅ~ちょっとどこにも日陰がなくって少しバテ気味に・・

とそこにちらっと見えたのなにぃ?
ウワァ~~、ここにカフェがあるなんて最高のプレゼント!!
とうぜん、一休みします!

一緒に写っいるのはミニバス。
遺跡内をミニバスが una corsa/one way €3ってことは、片道3ユーロで走ってるので,行きは遺跡を歩いてまわり帰りはミニバスを利用するのも効率的にいいし,体力尽きた人のためにもありがたいかも。

今はとにかくビールっ!

《 Cafe-Ristoro Arcosoli

<神殿の谷・Map>K.カフェテリア・バール
もうダメ!青息吐息だったけど、
タイミングよくカフェで一息。
ずっと歩きつづけているし、直射日光がかなり強く水分補給は欠かせませんが、ゆっくりと座るところがほとんどないのも困ります。無理せずにここで休憩タイムをおすすめします。
よく見ると軽食もお食事もワインもジェラートもなんでもあるし、トイレも使えますね。

広いテラス席が点在し、木陰でゆっくりと過ごせます。
まわりにはサボテンも活きよいよく伸びています。

えぇ~、
私たちが座ったテラス席からは、なんとこのアングル!!!
サボテンの上に見えるのは、ヘラ神殿!!
穴場スポットじゃない?!

3人でビール飲みながらすっかりいい気分になって・・
「この景色見られたから、ヘラ神殿は疲れたから行かなくていいや」
と言い出しました。まぁ、その気持は十分わかったけど・・
あと150mで東の端、四の五の言わせず引き連れていきました。
15分休憩して
さぁ、頑張ってイザっ!

Cafe-Ristoro Arcosoli < 15 € >
ビール小瓶3

・・

左手に見えてきたのは・・

ビザンチン・アルコソリウム

<神殿の谷・Map>②
コンコルディア神殿からヘラ神殿に向かう途中の右側に、アグリジェントの街の城壁跡が壁のように残っています。
arcosolium/アルコソリウムはラテン語のアーチの意で、葬式の場として使用されるアーチ状の窪み、ビザンチン時代に墓地として使用されていたようです。
今はこんな感じの絶好のビューポイントです。

いよいよ神殿の谷の東端、ここまで来ました!

《 ヘラ(ユーノー)神殿

<神殿の谷・Map>①
神殿の谷の一番東側。
標高120mの丘の上に頂点に建つ孤高のドーリア式で34本のうち25本の列柱が残るヘラ神殿です。ギリシャ神話の最高神ゼウスの正妻ヘラに捧げられていました。ヘラは、結婚と家庭を司る神なので、ギリシャ時代は神殿前で結婚式が行われていたそうです。

ワォ~・・・絶景!
南側は地中海まで見渡せ、
横目にヘラ神殿~コンコルディア神殿まで見渡せる、
そこに立っている!!
古代ギリシア時代と海だけは同じだと思うと、
ここまで来られてよかったぁ~
この風景を心に刻んで・・

少し離れても美しい姿のコンコルディア神殿は存在感がぐっと増しますね。

円柱に残る白い漆喰は、ギリシャ時代には白く塗られていたようです。
当時は彩色神殿で赤や黄や青の色で塗られていたそうです。

今日は絶好のカメラ日和!
どこから撮りまくっても青く澄み切った空とのコントラストで、素晴らしい色彩の画像に仕上がっています!!惚れ惚れ!

・・

この一枚はヘラ神殿から下りていくと東側の入口になっています。
サボテンの隙間から見えているのが、入場券売り場・売店・トイレ・パーキングなど。

アグリジェントの神殿の谷を私たちは西側から東側に登って来ました。
そして帰りは聖なる道の景色を楽しみながら下っていきます。
時間は午後4時、高台から聖なる道の一本道が、坂の傾斜が、よくわかりますね。

坂道を帰り始めて何気なく振り返ったら・・ウワァ~
オリーブの木々の上にヘラ神殿そして青い空!

同じく聖なる道から振り返って、パチリッ。
思ったよりもミニバスが走っているのかなぁ?また写り込んでいます。

あっという間にもうコンコルディア神殿まで戻りました。
少し引いた風景を。

この遺跡群の中にあって、可愛いファザードのヴィラ・アウレアは一服の清涼剤的スポットに感じます。またまた撮りたくなる被写体!
加えて5月という季節もあって庭園の緑もピカピカ輝いています。

うわぁ、もう出口?
下り坂はあまり負担がかからず気軽に下りてこられました。
コンコルディア神殿横を真っ直ぐに進んでくると、この出口にたどり着くます。

こんな風景が見えてきます。
神殿の谷/ PORTA V 入口行きバス停は、国道を渡り画面左側2人が立っている場所。

そして私たちはアグリジェント駅方面のバス停で、出口を出て壁に沿った所にあるバスストップ(左画像)です。
向かい側の黄色の建物(右画像)は、カフェテリア・トイレ・売店になっています。

・・
バスを待っていると、5分でタイミングよく駅方面行きが来て乗り込みます。

このバスは周遊のNO.3
もちろん帰りのバスのチケットもすでに購入済。

所要時間は約10分弱で、アグリジェント駅近くのバスターミナルに到着しました。
またここの場所がイマイチわかりにくいんです。

ここからアグリジェント駅までは歩いて7,8分かかります。
列車の駅より高台に到着するんです。
駅前に下車できるわけではないのでお違いなく。

では画像とともに駅まで歩いていきます。
左画像:バスターミナルから左右(シネマと郵便局)に丸い建物がある通りを進みます
中画像:緩やかな下り坂で右手に公園が見えてきます
右画像:左手にクリーム色の教会があり、そこを右に曲がるとも駅舎が見えてきます

はいっ、正面がアグリジェント中央駅(Stazione Agrigento Centrale)の正面広場。
離れていても見渡せる広場が気持ちいいです。
こんなに余裕があるなら駅前にバスストップ設置してほしい!

16:50
構内に入り正面に時刻表があったので列車をチェックします。
次のパレルモ行は、17:15分、少し時間があるし、またまたカラカラ状態だったので、バールで休憩&トイレタイムにしましょう。

アグリジェント駅構内バール

朝にバスチケットを購入したバールです。
カウンターと椅子席が用意されていて、椅子に座ると
思わずビールゥ~3つ!
小瓶を栓抜きで開けて、グビグビっと
おぉ~、一息つきました。
そしてトイレをお借りましした。
(トイレはスタッフから鍵を借りて使用します)

駅構内バール < 5 € >
ビール小瓶2

・・

アグリジェント17:15分発⇨パレルモ19:25着に乗り込みます。
ちょうど観光客が帰る時間ですが、思ったよりも混雑していません。余裕で座れました。


ここでアグリジェント・神殿の谷を訪れるために考えたスケジュールを簡単にメモしておきます。(色んな情報を集めましたが、なかなかわかりにくいと感じたので)

【 アグリジェント・神殿の谷/パレルモから日帰りスケジュール 】

07:43 パレルモ駅で往復切符購入・前方前2両に乗車
09:47 アグリジェンド鉄道駅着、構内にあるバールで後で使うバスチケット(@€1.2)を往復分購入、駅前からタクシーで州立考古学博物館へ約10€
10:10 州立考古学博物館着、考古学博物館+神殿の谷のコンビネーションチケット@13.5€
12:00 Ristorante Odori e Sapori di Sicilia でランチ、考古学博物館から徒歩5分
13:40 レストラン前のバス停乗車(周遊バスNO.1)
13:45 神殿の谷/ PORTA V 下車、ここから入場
13:57 ディオスクロイ神殿 ⇨ ゼウス神殿跡 ⇨ ヘラクレス神殿 ⇨ ヴィラ・アウレア
⇨コンコルディア神殿 ⇨ Cafe-Ristoro Arcosoli/カフェ ⇨ ビザンチン・アルコソリウ    ム ⇨ ヘラ神殿(16:00) ⇨ 戻りながらヘラクレス神殿横出口へ、
16:34 TEMPIO DE ERCOLE/ヘラクレス神殿横出口のバス停から乗車(周遊バスNO.3)
16:42 アグリジェントバスターミナル着(駅まで歩いて移動、約8分)
16:53 アグリジェント駅
16:55 アグリジェント駅バールにて休憩
17:15 アグリジェント駅発パレルモ行きに乗車
19:25 パレルモ駅着

<メモ>
神殿の谷/ PORTA V 入口からヘラ神殿まで約2.2kmで坂道を登ります。帰りヘラ神殿からヘラクレス神殿横出口までは1.4km、時間は人それぞれですが、3時間弱で回りました。

チケット売り場は州立考古学博物館、東側のヘラ神殿前入口、西側のPorta V入口。
州立考古学博物館€8、神殿の谷€10、共通券€13.5

神殿の谷内のトイレは、Porta V入口、ヘラ神殿入口、カフェ内の3ヶ所。
レストラン・カフェはヘラ神殿とコンコルディア神殿の間に一ヶ所。

Temple Tour Bus Agrigento/アグリジェントバスMAP参照


アグリジェントをあとに、シチリアを縦断してパレルモに戻ります。
車窓から見える田園風景をしばし楽しみます。

この先でメッシーナ方面から来る線路と合流するところ。
そして右方向には海岸線が現れます。

チェファルーから帰ったときもこの風景に出会いましたよね。
もうすぐパレルモです。

19:25
パレルモに到着、無事帰れてホっとしました。
さすがに移動が行き帰りで2時間30分弱で、遺跡群を3kmも歩き続ける日帰りはキツイですね。少々お疲れモード。

では、頑張って「アル・マッシモ」に歩いて戻ります。

il Siciliano

20:15
今日はさすがに家ごはんの食材もないし、いささか疲れたのでディナーにでかけます。
といってもすぐ近所、オロロージョ通りだから歩いて3分です。

店内は間接照明が効いた少し暗めのインテリアなので全体がよくわかりませんが、お客さんは若者が多いしみなさんお洒落な雰囲気です。このお店はワンプレートに乗せたアペタイザーが特徴。人数分オーダーするだけ、それとビールで決まり。

店内が暗いのでよく見えませんでしたが、
ザル網にフライドポテト、真ん中ボールにポテトサラダ、パンニーニ3種類、ブルスケッタ、チーズ3種類、カップクスクス、グラタン、グリッシーニ、サラミ、ハム・・
12~15種類くらいがワンプレートに。

一口づついろんな種類食べることができるので人気なんでしょうか?
全体的に炭水化物が多くパンは2種類食べるとお腹いっぱいです。
でもそのパンがあまり好みじゃない!

午後9時頃過ぎ、ますます混んできたので家に帰って2次会!!しよう。

il Siciliano < 33.5 € >
ワンプレートディナー3人分、ビール

il Sicilianoのある夜のオロロージョ通り、絵になりますね!

この角度の夜のマッシモ劇場も美し過ぎですね。
石畳にほんのり映るライトアップのオレンジ色がまた綺麗。

ただいま~。

・・
20分後、

残り物で家2次会が始まりました。
今日も赤ワインを開けて、アグリジェントの神殿の谷を語りながら・・

おやすみなさい!

Palermo⑦ 見どころ満載のノルマン宮殿&パラティーナ礼拝堂、市場内でランチと夕食用海鮮の買い出し
■ スケジュール 『パレルモ編』 <2018年> 5月12日~5月15日 ナポリ滞在 5月16日~5月20日 シラク...