特典航空券で世界一周の旅【プランニング編】

太と豆の熟年夫婦2人は、陸マイラーで貯めたANAマイルを使用して、2019年5月、

スターアライアンス特典航空券によるビジネスクラス「世界一周の旅」を実現

しました!!

以下、世界一周旅に思い至った経緯検討の過程ルーティングと予約の実際訪問都市でのToDoリストなど、プランニング段階での各出来事を

特典航空券で世界一周の旅【プランニング編

としてまとめました。

マイルをせっせと貯め、これをもとに世界一周旅行を目指している皆さん、参考にしていただきお役に立てれば幸いです。

何でまた、熟年世代になって『世界一周旅行』なんて企てたの?

そうですよね。何で?
若い頃は世界の面白そうなもの、なんでも見てやろうの精神のもと、バックパックを背負いながら1年くらいかけて世界を自由気ままに放浪するこんな生活に大いに憧れたものでした。
そうはいっても、戦後間もなく生まれの我々団塊の世代にとっては、このような生活はあくまで『憧れ』であって社会からスピンアウトすること自体考えられないことでありました。現実の行動としては、厳しい競争社会を生き抜き、少しでも自分の生活を安定させ社会的地位を築くことで精一杯でした。
勿論、なかには私のような平均的な考えから外れ、学生時代からあるいは卒業後も定職にもつかず世界放浪するようなツワモノはいるにはいましたが、それはごく一部。少なくとも私にはそんな度胸はなく、『世界一周旅行』はあくまで夢のまた夢、単なる憧れの言葉として長年意識の下に眠っていました

時は移り仕事をリタイアし、時間的にも金銭的にも少し余裕が出てきた今、若い頃に出来なかったこと、やり残したことなどへの想いがフツフツと湧いてきています。
クルマ好きが憧れるマニュアル・シフトのちょっと古いイタ車スポーツカーに乗ったり、レコードやCDでしか知らなかった大好きなオペラを本場ウィーンやミラノのオペラハウスで生で体験したり・・・・・、一つずつ夢が叶ってきています。残された夢はまだまだいっぱいありますが、世界一周旅行』はその一つ

ましてや陸マイラーで貯めたANAマイルが十分残っているとなれば、世界一周旅行をすること自体は今や全然敷居は高いものでなく、現実にすぐ手の届くところにあります。
これまでにも、特典マイルを利用してバルセロナ・マラケシュ・リスボンの旅」、「南イタリア・ナポリ&シチリアの旅」、「ミャンマー・パガン遺跡の旅」をはじめ数多くの旅を楽しんできました。
また、2017年春にはSFC(スーパーフライヤーズカード)を取得し、ANA上級会員としての恩恵にもあずかるようになりました。さらに、マリオットの「プラチナ・エリートメンバー」となり、身の丈以上のリッチなホテルライフもエンジョイしています。

いわば、ちょっと贅沢な旅を、お金をさほどかけず効率的に楽しむ方法にも慣れて、旅のノウハウを積み重ねるなかで少しづつ賢くなってきています。

『世界一周旅行』は、特典航空券によるヨーロッパ旅行の延長

くらいに考えれば、あまり気負うこともなさそうです。

若い頃に憧れた世界一周とはだいぶ形態・中身・目指すところなど、様々な面で異なりますが、でも世界一周は世界一周。私達にとっては、『世界一周』という言葉には特別の響きがあります。チャンスは今、今やらなくてどうするの?天の声

で、今の自分たちの状況にフィットしたプランを考えていきたいと思います。

なんちゃって、世界一周

かもしれませんが・・・

ANA特典マイルを使った世界一周特典旅行の利用条件とは?

貯めたANAマイルを利用して特典航空券による『世界一周』は可能です。
ANAは世界各地に就航していますが、それらはあくまで日本を起終点とする路線のみ。ともに外国の都市の間を結ぶ路線は原則としてANAは飛んでいません。なので、世界一周するためには、ANAの属しているスターアライアンス加盟各社の航路を組み合わせる必要があります。

スターアライアンス加盟各社の協定により、ANA特典マイルを利用して世界一周する場合、必要となるマイル数とその利用条件が定められています。
ANAのWEBサイトから、これを引用・要約すると、


■スターアライアンス・世界一周の利用条件

世界一周の旅程のみ、全旅程の距離(区間基本マイレージの合計。地上交通区間は移動マイルとして計算に含めない)に応じて必要マイル数を算出

②太平洋、大西洋を1回ずつ飛行機を利用して横断することが必要

ルートは東回り、あるいは西回りのどちらかで逆回りは不可

出発地と最終帰着地の間で最大8回の途中降機が可能(ただし欧州での途中降機は3回まで、日本国内での途中降機は4回まで)

出発国に戻る最後の国際線搭乗は、最初の国際線搭乗から10日目以降

旅程は最大12フライト区間に加え、最大4区間の「地上移動・同じ都市での異なる空港間移動」が可能

ANAウェブサイトからは予約できない。ANAマイレージクラブ・サービスセンターに連絡し、電話にて予約が必要

これらをざっと見ると、大して難しそうな条件はありませんね。むしろ、私達夫婦がイメージするような世界一周旅のために作られた必要条件と思えるほどです。

それでは、上記の条件を踏まえつつ、私達夫婦にとっての旅の内容を一つ一つ詰めていきましょう。

私達が世界一周旅行に望むもの、プランの骨子


■旅行期間はどのくらい?

世界一周と一口に言っても、旅行期間は人それぞれ。

WEBサイトにアップされている世界一周旅行に関するブログを見ると、従来型の「一年、二年にわたる長期の世界一周」組がおられる一方、欧米旅行の延長線で短期間の世界一周旅行を実践されている方もそれなりに多くいらっしゃるようです。
最近では特に、無償で(つまり特典航空券を利用して基本タダで!)世界一周旅行が簡単にできてしまうという現実を背景に、短期の「なんちゃって、世界一周」組が増えてきているような気がします。(私達もその部類ですが・・・)

私達の場合、旅行期間に関して言えば、セミリタイアしていくら時間の自由があると言っても長期間家を空ける事ができないヘボ用があるし、第一、体力的にも、金銭的にも、長期の旅行には自ずから限度があります。
上記のスターアライアンス「世界一周の利用条件⑤」では、旅行期間については「最低10日間以上」とされていますが、まあいいところでしょう。折角の世界一周ですからあまりに短いと単に飛行機に乗りに行っただけになりますし・・・。

ということで、

旅行期間等の方針ー私達のケース

  • 旅行期間は、10日以上20日までで旅程を検討する
  • 旅行時期は、暑くもなく寒くもない、花や緑が美しい春、5,6月頃を第一希望
  • 世界一周の回り方としては、時差ボケ緩和を考慮し、また、旅の最後はアジアでリラックスしたいと考え、東回りとする



■立ち寄る都市をどこにするか?

これはとても悩ましい問題です。選択肢が多すぎて決まらない。また、行きたい所によって全旅程の距離が大幅に違ってくるし、勿論、旅行日数や必要マイル数にも影響してきます。

上記条件④によれば、途中降機できる都市は最大で8つ。立ち寄り地については、好みにより決め方は人さまざまですが、私達は次のような基本方針とすることにしました。

立ち寄り先選びの方針ー私達のケース

▼立ち寄る都市は最低でも2泊気に入った街では3,4泊はしたい。スタンプラリーのような旅では疲れるだけでなく味気ない。10~20日間の旅行では、移動・機中泊も考慮すれば滞在できる都市はせいぜい多くても5~6都市くらいだろう。
直行便で結ばれている都市のほうが必要マイルから見てコスパが良い。また、特典航空券での予約が取りやすく、全旅程ビジネスクラスで回れそうな都市が必要条件。
食べ物が美味しい都市や、何回でも行きたいお気に入りの都市も含めたい。旅の途中、食事の楽しみや、行き慣れた街でリラックスできるいっときも重要。
▼北米1都市、南欧1~2都市、中東1都市、東南アジア1都市くらいの配分が、コスパ、日程、体力、治安、ルーティングのしやすさなどの面から、良さそう。中米、南米、北欧、中欧、オセアニア、アフリカ(地中海沿岸国以外)、東アジアについては、今回は見送る。

以上のことから、立ち寄り候補都市としては次をリストアップし、検討の後この中から5都市程度を絞り込むことにしました。

  • 北米;ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴ
  • 南欧;ポルトガル(ポルト、リスボン)、スペイン(アンダルシア地方)
  • 中東;トルコ(イスタンブール)、エジプト(カイロ)
  • アジア;タイ(バンコク)、インド(ムンバイ)、インドネシア(バリ)



■利用航空会社と利用クラスは?

いろんな航空会社のいろんなタイプの飛行機に乗ってみたい気はするものの、やはりあまり神経を使わなくて良いのがイイね。そうなると、
日本からの出発便、日本への帰着便は、できればANAを利用したい

▼その他路線は、スターアライアンスのなかでも比較的評判の良い航空会社(例えば、オーストリア航空、ターキッシュ・エアラインズ、シンガポール航空、タイ国際航空など)が選べればベター、逆に米国系の航空会社や中国の航空会社はできることなら避けたい。

▼利用クラスは、ビジネスクラスが絶対条件。エコノミーでは長距離は辛すぎるし、ファーストクラスはコスパが悪い。第一、ファーストを就航させている路線自体限定されている。なのに、全路線ファーストでカウントされるのではあまりにももったいない。いくらマイルが余っているといえども、無駄使いは禁物。



■全旅程距離についての考え方と必要マイルの見通し

ビジネスクラスを利用する場合の世界一周必要マイルは、先の表によれば、

  • 全旅程距離計 18,001-20,000マイルで 必要特典マイル @115,000
  • 全旅程距離計 20,001-22,000マイルで 必要特典マイル @125,000
  • 全旅程距離計 22,001-25,000マイルで 必要特典マイル @145,000

となっています。
これはANAによるヨーロッパ往復@95,000マイルや、アメリカ往復@90,000マイル(いずれもレギュラーシーズン)に比べて非常に割安な気がします。ヨーロッパとアメリカの両方に行くことが出来、8都市まで訪問可能、気が向けば中東だってアジアにも立ち寄ることができる。
アメリカやヨーローッパにピストンで往復することと比較すれば、あとちょっと特典マイルを上乗せするだけで世界一周旅行ができちゃうのですから、これを見逃す手はありません。

先に挙げた立ち寄り候補地を巡るルートでは、普通にルーティングすれば全行程距離数は多分22,000マイル以下でプランニングできそうだし、うまくすると、全行程距離数は20,000マイル以下に抑えられるかもしれない。その場合は、わずか@115,000マイルで世界一周ビジネスクラスの旅が現実に手に入るんですよ。すごいことでしょ!

以下、早速、具体的なルーティング検討と果たして予約がスムーズに取れそうか、さまざまな便利ツールを駆使してシミュレーションしてみることにしましょう。

世界一周の具体的なルーティング検討、果たしてスムーズに予約はとれそうか?

ここまでの検討で、特典航空券を利用した世界一周旅行のイメージや輪郭を掴めたと思いますが、重要なのはここから。果たして、思い描いたような旅行が実際に可能なのか、予約も問題なく行えるのか、これがはっきりしないと、単なる絵に書いた餅』で終わってしまいます。

特典航空券を利用する国内旅行、海外旅行とも、通常はANAのWEBサイトを通じてルート設定や予約をネットから簡単に行えますが、世界一周旅行の場合、上記の必要条件⑦で記したようにこれができません。いちいちANAのマイレージクラブ・サービスセンターに電話し、応対したANAのオペレーターに世界一周ルートを相談し、各フライトを確認した上で予約を確定させる必要があります。

『いついつ、日本のこの都市を出発して、次は海外A都市に立ち寄り、○日後、その次のB都市に行きたい。そして、最終的に、○月○日Z都市を最終立ち寄り都市として、日本のこの都市まで戻りたい。クラスはできればビジネスでお願いしたい。どういう航空路線があって、うまく予約が取れますか?また、全行程の距離はどのくらいで、必要な特典マイルは如何ほどになりましょうか?』

こんな、非効率で、まるで暗闇の中で物を探すような問答をオペレーターとやり取りすることが通常は必要となります。ANAのオペレーターは辛抱強く顧客の要望を聞き、それに沿った案をいくつか提示してくれますが、当然、時間もかかりますし、オペレーターの提案がその人にとって必ずしもベストとは限りません一回の相談で何十分もの時間を要し、即答できないようなことについては後日回答ということもしばしば。相談する方の人も、いざ実際に思い描いていた旅行プランと違うものを提示されると混乱してしまいます。

特典航空券による予約ですので、そう簡単には自分の思っていた通りにはうまくいきません
都市間を結ぶのに何回もの乗り換えが必要になったり、待ち時間も長い、また、とんでもない時間帯になったりする。エコノミーなら空席があるがビジネスには空きがない、そもそも特典航空券枠がない路線(例えば、ルフトハンザ航空の大西洋路線、欧州・米国間のビジネスクラスなど)だってあります。

したがって、最終的にはANAのサービスセンターに電話して予約を確認することは必要となりますが、そこに至る検討過程で、自分自身で調べられるものについてはしっかり事前にシミュレーションしておくことが欠かせません。さもなくば、いつまでたってもプランは確定せず、予約も取れません。そのうち面倒になり、諦めて『世界一周旅行はそう簡単には実行できそうもないし見送ることにするか』ということになりかねません。

こんなことを書くと、特典航空券世界一周って敷居が高いなー、と感じるかもしれませんが、いくつかの検討ツールを使えば、ある程度のところまでは(少なくとも、ANAの電話オペレーターに相談しなくても良い程度の)情報を得、意思決定をすることができます。

以下では、順を追って、その検討プロセスをお示しすることにします。


■『スターアライアンスBOOK&FLY』の活用

WEBサイト;https://www.staralliance.com/ja/book-fly

このサイトは、スターアライアンス加盟各社のフライトを利用して世界一周旅行を計画する際の検討ツールをスターアライアンス本部が作成し、一般公開しているものです。
公式WEBでの前文には、このサイトの目的を次のように記しています。

スターアライアンスBook & Fly ツールでは、世界一周旅行やサークルパシフィック旅行など、夢に描いていた旅程をご計画いただけます。 オンラインツールでは、運賃規則に関するアドバイスをご確認いただきながら、提案された旅程を保存することができ、旅程が決定したら、旅行期間や途中降機数、ルート、搭乗クラスに基づいたフライトの運賃を表示し、オンラインで予約することができます。

これを読めば、今回の世界一周旅行をこのツールに乗っかって計画し、便も予約すれば良いじゃないか、とお考えになるかもしれませんが、事はそんなに簡単ではありません。
ここで注意しなければならないことは、

このツールは、あくまで有償で(お金を自ら支払って)スターアライアンス便で世界一周をしようとする顧客の利便のために作られたものであり、決して特典航空券で(つまり、タダで)スターアライアンス便の搭乗を計画するためのものではない

ということです。

また、上記で説明した全行程の距離の計測方法(有償の場合はオープンジョー区間も距離数にカウントされるが、特典航空券の場合はノーカウント)や、許容される途中降機数(有償は15回以内に対し、特典航空券では最大8回)、フライト区間数(有償は16回以内に対し、特典航空券では最大12回)など細かな条件が異なる上、何より大きな違いは、このサイトで候補としてリストアップされている飛行機便の予約が特典航空券利用の場合、それが保証されていないという点です。

このツールを利用して組んだ旅程は、有償の場合はそれが保証され、また、予約もネット上で行うことができますが、特典航空券の場合では、組んだ旅程は必ずしもその通り旅行できるとは限らない上、ネット上から予約も出来ない

ということになります。じゃー、使えないじゃん、ということになりますが、決してそんな事はありません。要は使い方次第なのです。

このツールの良いところは、

  • スターアライアンス加盟各社の全路線の発着地点が、WEBのマップ上でわかりやすく表示される
  • ルート選定のシミュレーションにおいて、WEBマップ上の2地点をクリックするだけで、その区間の基本マイレージ数、その2地点の飛行が直行便であるのか経由便かの違い、経由便であるときはどこを経由する便なのか、などの情報が得られる
  • この他にも、その区間の飛行便の基本情報(運行航空会社、便名、発着時刻、所要時間、使用機体、利用可能クラスなど)を詳しく知ることができる
  • シミュレーションした世界一周旅程案それぞれに対して、自動的に全行程距離数を計算してくれる

など、使いようによってはとても便利なツールとなります。

このツールを活用すれば、思い描く世界一周旅行案のあれこれを入力し気軽に検討することができるようになります。

『ふーん、こんなルートでここからここへ直行便で行くことができるんだ!これはイイ。』

『思っていた2つの都市を結ぶ路線って、なかなかいい便がないな。考え直さなくっちゃ。』

『おー、あとちょっと工夫すれば全行程距離数が20,000マイルに抑えられる。どこか距離削減の良い考えはないかな。場合によっては、この短い区間を地上移動にしたり、特典航空券ではなくLCCを使ってみる方法もありそう』

などなど、いろんなアイデアが出てくることになります。

それでは、このツールを使って実際にシミュレーションする際の手順を、画面を見ながら説明していきます。

【画面ー1】

【画面ー1】は、シミュレーションでの最初の画面。検索欄に目的地を入力してもよいし、マップのポイントをクリックして選んでもよし。
この例では、今回の世界一周案のうち最有力案で、実際にもこのとおりに決定したもの、

東京⇒ニューヨーク⇒ポルト⇒リスボン⇒イスタンブール⇒バンコク⇒東京

を入力しています。
入力後直ちに、その旅程の区間数(フライト数)、ストップオーバー数、全行程も基本区間距離の合計が表示されます。この例では、合計で20,000マイルギリギリの19,740マイルに収まるようになっています。

行程案をフィックスしたら、次に各区間ごとにどんな飛行機が選べるかを調べていきます。【画面ー1】の『フライトの選択』をクリックすると、次のような画面が出てきます。

【画面ー2】

ここでは、居住国/地域、搭乗者数、搭乗クラスなどの入力が求められます。このツールは、前にも書きましたように、有償でスターアライアンスを利用した際の必要情報を得るためのもので、ここでは料金計算の基礎条件を聞いてきています。特典航空券の場合は関係ないことなのですが、一応、参考値を得るために本当のところを入力しておきます。

このあと画面下の『フライトの選択』をクリックすると、

【画面ー3】

料金計算の概算見積もり結果が表示されました。
この見積もりによると、有償利用の場合、夫婦2人・ビジネスクラス利用で航空券料金のみで(サーチャージなど諸費用無しで)1,411千円もするのですね。個人ではおいそれとは支払えない高額です。
ちなみに、必要マイル数は2人で230,000マイルですので、このケースでのマイル単価は、

1,411,000÷230,000=6.13

となり、1マイルの価値が6円以上と、なかなかに良い数字です。それだけ世界一周特典航空券は、効率の良いマイルの使いみちである証となっています。

さて、このあと『続ける』をクリックすると、いよいよ各区間ごとの利用可能なフライトの一覧が出てきます。

【画面ー4】

【画面ー4】は、搭乗希望日を入力したあとリストアップされた利用可能なフライトの一覧です。
この例は、出発地を東京、目的地をニューヨークとした場合のものです。東京は羽田と成田、ニューヨークはJFK、LGA、EWRのそれぞれ国際空港がありますが、それらの区別も含め、出発時刻、到着時刻、直行便か経由便か、経由便のときはどこを経由するのか、航空会社と便名、区間マイル数が表示されます。さらに、『フライトの詳細を表示』をクリックすれば、さらに出発や到着のターミナル、使用機体、搭乗クラスのコードなどの情報を知ることが出来ます。

なお、ここで表示されるマイル数は、さきほど全行程距離数を計算した場合の基本マイル数とは異なり、直行便の場合はほぼ基本マイル数に近い数字であるものの、経由便では経由地を考慮した区間基本マイルの合計値となっています。経由便を選択した場合は、当初予定していた全行程距離数が増えることになり、それに伴い、必要マイル数も増えることもあり得るので注意が必要です。
全区間のフライトを選択した後、改めて旅程の距離数が修正計算されますので、チェックしてください。

【画面ー5】

【画面ー5】は、各フライト区間ごとに便を選択していく途中画面です。
これを最終区間まで続ければ、フライト選択は終了。このツールは、そのあと予約画面や料金支払画面に移行していきますが、特典航空券利用の場合は無視。ここまでの入力内容や表示結果をあとあと再検討するために、情報の保存をしておきましょう。画面下の『保存マーク』サムネイルをクリックすればOKです。

ここまでの一連の作業は、さほど時間もかからず、比較的手間いらずで進めることが出来ます。
この作業をやっていくとだんだん面白くなり、あの案はどうだろう、この案のほうが良くないか、など次々アイデアが湧いてきます。当初、獏としてイメージしていた世界一周旅行が、一定の制約条件のもとでどんな面白い案に化けていくのか、ある面、こんがらがった紐を解くような、あるいは、難しいクイズを解くような快感に変わっていきます。
卓上での世界一周空想旅行にも使えます。

それだけ、この『スターアライアンスBOOK&FLY』はよく出来たツールソフトで、世界一周旅行を計画する際には欠かせないものです。


■ANAのWEBサイトを使った予約可能性の検討

さて次なるステップは、ある程度イメージが固まり、ルートの案もハッキリしてきた世界一周の具体案が、本当に予約可能で、実際に旅行に行けるのかの検証です。

先の『スターアライアンスBOOK&FLY』で選んできたルートは、有償旅行の場合は即予約可能でお金さえ払えば旅行に行けるのに対し、特典航空券利用の場合は、果たしてこれが予約可能なものなのか、何の情報も与えてくれません

作った世界一周案をもとに、ANAのサービスデスクに電話して、『これこれこういうルートで、この便は予約できますか?』と聞くのも一つの手ではありますが、多くの場合、『この便は予約可能ですが、この別の便についてはあいにく空席がございません』といった返事や、『この便はエコノミーなら空いていて今で予約可能なのですが、ビジネスについては旅行直前にならないと特典航空券枠が開放されず申し訳ありませんが予約確保できません』などといった返事が帰って来るでしょう。特典航空券を利用した各区間の予約は、なかなか容易ではありません

私が試行錯誤した中で、予約が特に難しいと感じた区間は、

  • 大西洋横断路線の米国各都市と欧州各都市との間のビジネスクラスの予約
  • 太平洋横断路線の日本(東京)と米国各都市の間のビジネスクラスの予約

この2つです。

これら区間は運行航空会社や路線が限られ、また、人気航空会社に予約が集中することもあって、相当前に予約しないと(旅行予定の一年前くらい)席確保は難しいと思います。
また、日本と欧州、日本と東南アジアの区間も、特定の人気都市との間(例えばフランクフルトやバンコクなど)でも予約に苦労します。世界一周ではなく、普通の海外への旅行の際、特典航空券(特にビジネスクラスを利用しようと思った時の)の予約の難しさと同じです。

それに対して、欧州各都市間や、日本以外のアジア各都市と欧州各都市間は、たとえビジネスクラス指定であっても、ほぼ問題なく予約はOKです。
(ちなみに、ANAのサービスデスクに聞いた話ですが、世界一周特典航空券の予約に関しては世界一周だからといって特別な予約枠があるわけでなく、通常の海外特典航空券の予約と扱いとしては一緒ということです。)

ですので、予約可能性についてはいちいちANAサービスデスクに問い合わせるのでなく、自分で調べられる範囲で事前チェックしておくことをオススメします。そのほうが無駄な時間をかけなくて済み、世界一周プランの詰め・吟味に役立ちます。

予約可能性の検討については、おなじみのANAのWEBサイトの次のページが強い味方となります。

【画面ー6】

このページで予定している区間ごとに必要項目を入力すれば、その予約可能性、席が空いているかどうかのチェックは一応可能です。時に、この区間は特典航空券には開放されていないとのメッセージが出たりしますが、その時は組み合わせを変えたりして試行錯誤すれば、各区間ごとに、これは行けそうか否か、概ねのことがわかってきます

ルーティングを検討する際には、予約が難しい区間、競争が激しい区間の見通しを最初に押さえ、これが行けそうだとなったらその便を軸にして他の区間を継ぎ足していくという方法が現実的かつ効率的と考えます。

私のときも、まず最初に、アメリカの各都市とヨーロッパの各都市を結びつける各航空会社の路線を一通り調べ、試行錯誤しながらいろんな可能性をチェックし、その中から『これなら良さそう、予約もできそう』という組み合わせを見つけ出しました。(具体的には、ニューヨーク⇒ポルトの直行便ビジネスのポルトガル航空TP214便で、これは火曜日と金曜日の週2回の運行となるためスケジュールもこの便が組み入れられるよう日程調整しました。)

私の場合、以上のような予約可能性の事前チェック・検証後、満を持してANAサービスデスクに電話をかけ、予約&発券依頼をしました。結果、ものの5分もかからずに、当方が指定した通りの日時、便、予約クラスなど、すべての面でOKの返事がすぐに出ました。あとは旅行に伴う諸費用の計算結果を改めて連絡してもらい、これを支払うことですべての予約手続きを無事完了することができました。
ANAサービスデスクのおねーさんも『こんなに手間いらずで世界一周旅行の予約・発券を依頼してくる方は珍しい、通常は最終的に発券に至るまでお客様と何回も何回もキャッチボールが必要になるのに、わずか数分の電話だけで一発で決まってしまうなんて!』と感心されました。

では、改めて今回の世界一周計画のルートや特徴、期待することなどについてご紹介します


■世界一周計画(当初発券時)の概要

  • 旅行期間;2019年5月8日~5月24日(17日間)
  • 飛行ルート;東京HND⇒JFKニューヨークEWR⇒OPOポルト⇒LISリスボン⇒ISTイスタンブール⇒BKKバンコク⇒HND東京 [下のマップ参照]
  • 利用クラス;全区間ビジネスクラス
  • 滞在地;ニューヨーク2泊(マリオット特典利用・無料宿泊)、ポルト4泊リスボン2泊イスタンブール3泊バンコク2泊(マリオット特典利用・無料宿泊)
  • 機中泊;3回(EWR⇒OPO、IST⇒BKK、BKK⇒HND)
  • 特典使用マイル;2人分で230,000マイル(全旅程距離20,000マイル以下が適用)
  • 予約依頼時期;2018年6月(旅行の約1年前

【飛行ルートマップ】

(『Great Circle Mapper』というフリーソフトを利用して作成しました。このソフトは、自分の検討したルートが視覚的に分かる上、全行程の距離数も自動で計算されます。ちょこっとルート変えれば全距離数はどう変わるのかにも使えます。空港コードさえわかれば、手軽にすぐ世界一周のマップが作れます。)


■各区間のフライトとその楽しみ

世界一周旅行では、空港ラウンジ利用をはじめ、飛行機機内での過ごし方や食事サービスなど、移動行為そのものが旅行の大きな楽しみとなります。

以下では、今回決めた個々の飛行区間ごとに、機内での楽しみ、期待といったものについてまとめてみます。


[HND羽田⇒JFKニューヨーク]太平洋横断 

第一希望であった羽田・ニューヨーク区間ANAのビジネスNH110便の予約がすんなり取れ、ラッキーでした。約1年前という早い段階での予約が功を奏しましたが、通常は人気路線・人気航空会社のため予約確保はかなり難しいと言ってよいでしょう。
今回の世界一周の中で最も長時間フライトとなる区間(約13時間)でもあるので、定評ある777-300ER機体とANAのCAによるきめ細かな機内サービスで快適な旅が約束されたようなものです。世界一周の旅の出だしが、乗り慣れたANA便ということでも安心感があります。


[EWRニューヨーク⇒OPOポルト]大西洋横断

大西洋横断となるこの区間は、今回の予約の中で最も腐心しました。北米と欧州の都市間を結ぶ大西洋路線就航航空会社はそれなりに多いものの、1年も前から特典航空券枠を開放している航空会社は限られ、路線の選択肢もさほど多いわけではありません。
試行錯誤を続ける中、ニューヨーク(ニューアーク空港)とポルトガル・ポルト空港とを結ぶポルトガル航空ビジネス便がうまい具合に予約取れそうとなったときは思わず「やった!」と声が出ました。大西洋を横断する飛行機に乗るのは今回がはじめて。ポルトガル航空には前にマラケシュ⇒リスボン、リスボン⇒ロンドンに搭乗した経験がありますが、可もなし不可もなしの印象でした。でも、ニューヨーク路線ともなればポルトガル航空にとっては看板花形路線のハズ、どんな飛行機旅になるか楽しみにしましょう。


[LISリスボン⇒ISTイスタンブール]

この区間はターキッシュ・エアラインズを利用します。ヨーロッパ内の都市間路線なのでビジネスであっても簡単に予約が取れました。通常、ヨーロッパ内の都市間の路線は、機体がA320などの中型機でビジネスクラスは3人席エコノミーシートの真ん中の席を使用しない『なんちゃってビジネス』となる簡便な航空会社が多い中、ターキッシュ・エアラインズのこの路線は、機体は737-900ERと中型機ながらもビジネスクラスは2席+2席のゆったりした席、しかも『フライング・シェフ』まで同乗する食事サービス。これは大いに期待できそうです。


[ISTイスタンブール⇒BKKバンコク]

太平洋横断に次いで長時間フライトとなる区間、夜行便です。この区間も評判の良いターキッシュ・エアラインズ・ビジネス指定で予約できました。出発空港のイスタンブール空港は2019年春に移転オープンしたばかりの世界一の規模となる新空港。以前の空港でもターキッシュ・エアラインズのラウンジは規模・サービス内容とも評価は高かったのですが、今度は更にバージョンアップしているとの噂です。また、機内の食事の美味しさでも定評があるので『フライング・シェフ』によるサービスがどんなものか、これにも期待大です。


[BKKバンコク⇒HND羽田]

帰国便はANAビジネス。何度か利用したことのあるNH850夜行便です。789機体のスタッガードシートでフラットになってゆっくり寝て帰ることにします。これまた人気区間、人気便ですが約1年前の予約で問題なく確保できました。


■立ち寄り地での楽しみ、ToDoリスト

今回世界一周の旅で立ち寄る5つの都市は、幸運なことに第一希望の都市をうまく結びつけることができました。全旅程17日間と短い滞在期間となりますが、各都市で時間をフルに楽しんでこようと思います。

各都市で期待する内容とToDoを、次のようにまとめてみました。


①ニューヨーク(2泊)
これまでニューヨークには仕事を含め何回か来ていますが、さすが世界のニューヨーク、何回来ても飽きるということがありません。これまで、エンパイヤステートビル、メトロポリタン美術館、セントラルパークの散策、ミュージカル「Cats」、メトロポリタン劇場でオペラ「薔薇の騎士」など大いに楽しみ、いまも大好きな都市の一つです。世界一周旅行でアメリカの都市から一つ選ぶとなると、どうしてもニューヨークは外せません。
でも唯一の欠点は、旅行者にとっては、泊まるにしても、食べるにしても、おまけに各施設の入場料も、タクシーに乗るにしても、すべてが『高い!』こと。しかも「チップ」をいくらにするか毎回悩まされるし、費用も上乗せ料金を見込まないとなりません。お金がいくらあっても足りません。今回は、滞在ホテルはマリオットグループの『ルネッサンス・ニューヨーク・ミッドタウン』に「プラチナ・エリート」会員特典でポイント無料宿泊し、高い宿泊代をカバーすることにしました。

ニューヨークでのToDo

    • 「自由の女神」観光をたっぷりと時間をかけて
    • MoMA(ニューヨーク近代美術館)でアートに触れる
    • ミュージカル「オペラ座の怪人」の舞台を楽しむ
    • SoHo地区やDUMBO地区を気の向くままぶらぶら散策する
    • ニューヨーク名物、美味しいステーキを食べる
    • NYでNo.1の呼び声高いお店で、ベーグル、ハンバーガー、ピッツァを試す


②ポルト(4泊)& リスボン(2泊)
2017年春に初めてリスボンを訪れ一週間ほど滞在しましたが、その時以来、すっかりポルトガル・ファンになってしまいました。古い街並み、アズレージョ、トラム、美しい花々、丘から見える街と海の景色、鰯の塩焼きが匂う街角など、見どころいっぱい旅情を大いに盛り上げてくれます。でも観光地であっても観光地スレしていなくて、人々は素朴で温かいし気さく。なんと言っても食べ物が美味しいのには驚きました。肉類、魚介類、ワインなど、何を食べても飲んでも外れがないし、安い!し、私達の好みに合っている。
機会があればぜひ再訪したいと思っていたので、世界一周では迷うことなくポルトガルを旅程に組み込みました。17日間の全旅程中、ポルトガルだけで6泊も割いたことでもその入れ込み具合がおわかりいただけるでしょう。今回は、リスボンのほか古都ポルトにも腰を据え、プチ地元民生活も、大いに楽しみです。

ポルト、リスボンでのToDo

  • ポルトではホテルではなくアパートを借り、地元民生活の「さわり」を体験
  • 世界遺産・古都ポルトの歴史的町並み散策と建築散歩
  • 港をぶらぶら、船の行き来と夕日を眺めながらのビールはきっと最高!
  • モツ煮込み料理をはじめ大航海時代からの伝統的な地元料理に挑戦
  • ワイナリー探訪、郊外の海辺へピクニック、「鉄ちゃん」風にトラム博物館
  • リスボンでは馴染みとなった食堂など、思い出の箇所を再訪


③イスタンブール(3泊)
イスタンブールは初めて訪れる都市です。東西の文明が交錯するエキゾチックな街、東ローマ帝国、オスマン帝国の首都としても長く隆盛を誇った街、一度は訪れたいと前々から思っていました。それに、トルコ料理は世界三大料理の一つと昔から聞いてはいましたが『なぜトルコが?』という素朴な疑問も一方ではあって、食いしん坊の私達夫婦にとっては、現地で実際に体験しなければ、という思いもありました。また、トルコはイスラムの国ではありますがお酒に関しては比較的寛容で、市民が集う居酒屋(メイハネ)があちこちにあるとも聞きます。これも面白そう、ぜひ覗いてみたい。
今回の世界一周旅行では、南欧から東南アジア・日本に渡る旅程の帰路にちょうどよいルート上にあるし、早い段階で候補に上がっていました。エジプトのカイロとどちらにするか最後まで迷いましたが、やはり食い物の魅力に引きずられ、イスタンブールとなりました。

イスタンブールでのToDo

  • 世界遺産の歴史地区、トプカピ宮殿・アヤソフィアなどイスラム建築巡り
  • ボスポラス海峡を船で渡り、アジアンサイドの街・カドキョイを散策
  • ヨーロッパサイドの新市街地で街の最新文化と市民の今の生活に触れる
  • 世界三大料理であるトルコ料理の美味しさの秘密を探る
  • 居酒屋メイハネを訪れ、日本のそれとの共通点や相違点を探る
  • グランバザール、エジプシャンバザールで市場の楽しさと活気を肌で感じる


④バンコク(2泊)
世界一周で最後に立ち寄る都市は東南アジアのどこか、と考えていました。駆け足とはいえ、あちこち旅した最後には、馴染みがあって安心感のあるところで疲れを癒やし骨休めする、そんな心つもりです。となると、やはりこれまた大好きで何度訪れても飽きることがないバンコクに白羽の矢が立ちます。何十回にもなるバンコク詣でで、いわゆる観光スポットは行き尽くしたし、滞在のメインは、気の向くまま時間を過ごし、美味しいものを食べ、リラックスするだけ。バンコクのホテル巡りを楽しみにしているので、今回は『マリオット・スクンビット』を選んで、例のマリオットポイントを利用して、ここでも特典による無料宿泊とすることにしました。

バンコクでのToDo

  • 特にあれこれ最初から決めるのでなく、出かける先はその日の気分で
  • 疲れの癒やしはやはりタイマッサージで、できれば滞在中毎日たっぷりと
  • 食事はバンコク滞在の最大の楽しみ、食堂や屋台のイサーン料理がいいな
  • マリオットホテルでは、クラブ・ラウンジやプールも活用しよう
  • バンコクで一番高級な「ザ・サイアム・ホテル」でアフタヌーン・ティー
  • 「ザ・サイアム」のアクセスにはホテル専用船でチャオプラヤ川クルーズ


■予約後の航空会社都合によるスケジュール変更と最終確定旅程

世界一周旅行の特典航空券予約は約1年前に行いましたが、そうでもしないと思ったような航空会社や路線、ビジネスクラスでのフライトが確保できないためでした。ところが、困ったことも一方では生じました。
それは、あまりにも早い時期の予約であったため、押さえておいたはずのフライトが、各航空会社のその後の都合により、たびたび変更になってしまうことでした。

出発や到着時刻の若干の変更くらいならまだしも、予定している便が直行から経由便に変更になったり、運行日が変更になったりするとスケジュールを組み直さなくてはならなくなるし大変なことになります。また、機材変更のためビジネスクラスからエコノミークラスへのグレードダウンとなる場合もあり、こんなときはガックリとしてしまいます。

当初予約してあった便が何らかの事情で変更があったときは、その都度、
【ANAより】ご予約便についての重要なご案内
というタイトルでメールが届きます。
こんなタイトルのメールが届くたびドキッとし、恐る恐るメールを見ることになります。

今回の私達の予約でも、当初発券したものから変更となったものはいくつかありました。発着時刻や機材の変更で些細なものは別として、問題となったのは次の2つでした。

①搭乗クラスのグレード・ダウン
これは、ポルトからリスボンのポルトガル航空の国内線部分で、運行時刻と機材の変更により、当初予約してあったビジネスクラスがなくなりエコノミーへ変更になったとの連絡。フライト時間が1時間程度の国内線のことでもあるし『まあしょうがないか』と思える程度で収まりましたが、もしこれが国際線長距離区間であればANAサービスデスクと相談して代替となるフライトを探さなくてはならないところでした。

②運行日の変更
これは、イスタンブールからバンコクへのターキッシュエアラインズのフライトが、予約してあった日の運行が中止となり翌日の便になるとの連絡。これは大ごとです。この連絡があったのは旅行の一ヶ月くらい前で、イスタンブール、バンコクとももう既にホテルは予約済み。現地での活動スケジュールも決めていました。ANAからのメールを受け取るやいなや、すぐにANAサービスデスクに電話しました。

『どうしても当初予定通りにその日のうちにバンコクに着きたい。航空会社が代わってもよいし、経由便でもよいから他に良い案はありませんか?ただし、搭乗クラスはビジネスクラスで』
と。

サービスデスクとしても、スターアライアンスの加盟航空会社の都合でこのような変更要請をしてきたわけだし、顧客が納得するような解決策、代替案を示さなくてはなりません。親身になっていろいろ探してくれました。
結果、イスタンブールからの直行便でなく、イスタンブールからタイのプーケットまではターキッシュエアラインズで、プーケットからバンコクまではタイ国際航空で、ともにビジネスクラスで席を確保できるということになりました。当初予定よりバンコク到着時間が4時間ほど遅くなることとなりましたが、これは致し方ない。じゃー、それに変更ということで決着しました。プーケットは何年かぶり、2時間の乗り換え時間の僅かな間、南国の空気でも吸ってくるか、と思うことにしました。

以下が、このような変更を経た後の最終的なeチケットと、飛行ルートです。全旅程距離は20,000マイルをオーバーすることになりましたが、これは航空会社都合によるもの。したがって、特典航空券の必要マイルは以前のものと変わらず、です。

[最終的に確定・発券したeチケット]

[最終的に確定・発券した飛行ルート]

そんなことで、いろいろありましたが、いよいよ世界一周旅行の計画がFixされ、あとは実行あるだけ!!
下図でおわかりのように、世界一周といっても、北半球だけ、しかも比較的緯度の高い都市を回るので全旅程距離は2万キロ以下。確かに、欧米旅行に毛の生えた『なんちゃって世界一周』旅行となりました。

プランニング編はここでおしまい。
実際の旅行編は、次の項からご覧ください。

世界一周の旅<フライトの実際>   羽田(HND)  ⇒  NewYork(JFK)
【 フライトの基礎情報 】             搭乗日:2019年5月8日(水)         出発空港&時刻:羽...