鳴子温泉郷 赤這温泉・阿部旅館 プチ湯治 – その壱

2020年の秋。暑い夏が終わり、久しぶりに『湯治』に行きたいな!

私達夫婦は温泉が大好きで、そのなかでも特に湯治生活には興味があり、いつも、どこか私達だけの秘密の湯治場はないだろうかと、情報収集に努めています。これまでにも、花巻・大沢温泉『湯治屋』万座温泉『日進館』秋田・泥湯温泉『奥山旅館』東鳴子温泉『旅館大沼』、信州・鹿教湯温泉『河鹿荘別館』など、いろんな温泉で数日の「プチ湯治」を楽しんできました。

今回は、前々から気になっていた鳴子温泉郷・赤這温泉阿部旅館』で3泊4日のプチ湯治にトライすることにしました。
この赤這温泉・阿部旅館は、鳴子温泉郷の一角に位置しているものの、多くの旅館が集まる温泉街からは離れた川向うにポツンとある一軒宿。家族経営で民宿並みに宿代が安い割には料理は大変美味しく、なんといっても温泉が素晴らしいとの評判。知る人ぞ知る、根強いファンに支えられた人気宿と聞いていましたので、ならば是非とも一度体験してみなくては!、と願っていました。

この年は、コロナ禍で春先からずっと外出を極力控えていましたが、現地にはマイカーで往復することだし、小さな旅館で他のお客さんと殆ど接触せず、お風呂も貸し切り家族風呂だけ、という今回のプチ湯治なら誰にも迷惑をかけることなく、また私達も感染リスクは少ないと判断して、思い切って旅行を決行することにしました。

しかし、私達は常連ではなく初めての利用ですし、ましてや当時、コロナ感染拡大で問題視されていた東京者が訪れるとなると、逆に宿のほうが戸惑うのではないかと心配しながら旅館に予約の電話を入れると(阿部旅館は、ネット上の予約サイトは利用不可で電話予約のみを受け付けています)、コロナの対策は十分行っていますしお客さんの数も絞っているので、どうぞ安心しておこしくださいとの女将さんの丁重で嬉しい返事。

「じゃー、ご厄介になります、楽しみにしています!」

ということに相成りました。

今回の行程

2020/9/23~9/26・3泊4日

<9/23>10:00スタート 東北自動車道~ 12:00あだたら高原SAランチ 14:00東北自動車道鶴巣SA 16:00阿部旅館チェックイン
<9/24>09:15スタート 10:15潟沼、吹上高原 11:45 旅館に戻る 自炊で昼ごはん部屋で 午後は部屋でDVD鑑賞、夕食
<9/25> 一日中読書&湯治三昧
<9/26>10:00チェックアウト 12:00 相馬 たこ八 14:30 四倉PA四倉亭 16:15 美野里シビックガーデン&農産物 16:30 アトリエプティ・ボアカフェ

2020/9/23(水)プチ湯治1日目 東京~赤這温泉

10:00スタート 東北自動車道~ 12:00あだたら高原SAランチ 14:00東北自動車道鶴巣SA 16:00阿部旅館チェックイン

10:00
すごい晴れていいお天気です。
久しぶりの
湯治に行くぞぉ~。

都心を出るとき渋滞していて、東北自動車道をひた走りながら、お昼は「鶴巣SA」を予定していましたが、どうもかなり遅くなるようなので仕方ないので途中で。

あだたら高原SAで休憩がてらランチにします。
軽く済ませたいので、食券購入でラーメンを。

ランチのチャーシュー麺
約半年・久しぶりの外食となります。
SAのテーブルは対面を避けるように仕切りのファンスが設置されていました。
平日なのであまり混雑していなくて、ホッとしながらラーメンを頂きました。


珍しい「ウルトラマンティガ」自動販売機


今年買い替えたクルマ、初めての長距離ドライブ

14:00
鶴巣SAでトイレ休憩します。
以前、岩手の温泉に行ったときにこのレストランのヒラメ海鮮丼がめちゃくちゃ美味しくって感動ものだったので、トイレ休憩の時、覗いてみました。
あらっ、残念!いつの間にか、和食のお店がラーメン屋に変わっていました。もう食べられないのね、あのヒラメ丼・・・グスン。

東北自動車道古川IC 出口から 国道108号/国道47号 に入り、鳴子方面に向かって進みます。

鳴子温泉近くまで来たら、突然ざぁ~っと数分間の強い雨
しばし唖然・・・としていたら、気まぐれな天気。さっとやんだと思ったら、今度はもう雲の上には日差しが現れ、なんとも不思議な景色になりました。
道路の両サイドにはタワワに実ったお米が黄金に✨輝いて見えました。

鳴子温泉 阿部旅館

鳴子温泉郷・赤這温泉 阿部旅館の場所は、東鳴子温泉の旅館が集まる温泉街を背に江合川の対岸、向こう岸に位置します。橋をを渡り、川沿いに細い道路をしばらく進んだところにあり、周辺は畑と里山の林ばかりで、お店や住宅など無い、とても静かな(というか、ちょっと寂しい)環境にあります。

うわぉ~、無事に到着です、ふぅー。

阿部旅館の玄関。
普通の民家を思わせる、シンプルなつくりの和風の玄関です。
この前を通り過ぎて進むと大きな駐車場となっていました。

玄関を入り声をかけると、女将さんが迎えに出てきてまっすぐに部屋に案内してくれました。案内された部屋は、玄関ホールのすぐ隣にある一号室です。


きちんと並んだスリッパ


玄関側のフロント


先がフロント、右ドアが一号室


一号室の入口

<一号室>

部屋の中に入ると・・

お部屋に入るとパッと明るい大きな窓が目に入ります。
1mくらいの高さの出窓となっていて、窓も広いので気持ちよく感じます。
広さは、畳敷が4.5畳と板の間が1.5畳分の6畳和室ですが、出窓も有効活用でき、またとても明るいので狭っ苦しさは全く感じません。夫婦2人だけの湯治滞在にはこれくらいの広さで十分。小物などあちこち動かなくてもすぐ手に取ることができるので、かえって便利です。

カーテンの外側にはタオルなどが掛けられるバーがあり、さらに35cmくらいの奥行きのある出窓にはスマホやカメラ、腕時計など細々したモノを置くことができて、何かと使い勝手よくグッドです。

入口脇には大きな冷蔵庫と押入れ(布団)、その下には荷物入。
浴衣と帯もありました。

板張りの1.5畳分には、TVとTV台、この季節はまだ扇風機、ゴミ箱が備え付けてあります。コンセントも後ろに見えています。


ちゃぶ台と座布団、お茶道具とポット


窓からは庭と江合川方向の景色。緑いっぱい。


部屋の鍵


部屋の引き戸

引き戸を開けると1畳の板張りがあり、廊下との間のクッションでスリッパをぬぐスペースとコートなどをかけるフックなども用意されていました。
コンパクトながらプチ湯治には、いい感じのお部屋です。

16:45
では早速、目的の温泉に行ってきます。
朝から長い運転で疲れた体を温泉でほぐした~い!

「手前の湯」

最初に入ったのが「手前の湯。客室から近い入口のお湯です。

注:
【阿部旅館にはお風呂が2つあり(特に名前がついていないので、私達は仮に、玄関に近いお風呂を『手前の湯』、遠い方のお風呂を『奥の湯』と読んでいました。)、元々は男女別の内湯として利用していたようですが、現在は、男女別の専用お風呂としてではなく、お客さんが自分の好みに応じて「男性用」、「女性用」、「貸切」のいずれかの「入浴表示札」を扉に掛けて利用するシステムにしています。
合理的なシステムですね。私達はいつも「貸切」の札をかけ夫婦専用で利用しました。お客さんの絶対数が少ないこともあって、いつ行っても2つあるお風呂は必ずどちらかは空いていて、思う存分、湯治体験を満喫することができました。】

『手前の湯』は、大人4人位がゆったりと浸かれるくらいの湯船と2人分のカランからなっていて、家族利用には十分すぎる広さで快適です。
湯船には白い濁り「湯の花」が舞っていて、もったいないほどドバドバと源泉掛け流し、超贅沢です。


脱衣所


入口横の「入浴表示札」入れ


貸切の札

「手前の湯」は、噂に違わずとても良いお湯でした。お風呂上がりは、肌がすべすべになりました。夜寝る前には、「奥の湯」にも入りたいと思います。
これからのプチ湯治がますます楽しみになってきました。

一号室に戻って・・
これが何よりの贅沢!至福のとき!
何も考えずにお風呂上がりのビールでカンパイ!!
至福のときを、畳の上で昭和なこのスタイル!・・・まさに湯治の醍醐味です。

湯治一日目の夕食

今日の夕食、時間は午後6時です。
阿部旅館のお料理は、「目でも味でも楽しめる」と、とても評判です。「1泊2食付きで8千円あまりの宿代でこんなに充実したお料理をいただけるなんて信じられない!」、とも。
何でも、お料理を作っているのはこの宿の娘さん!本格的な和食店で長年修行したあと実家に戻って料理を担当するとともに、若女将としての経験を積んでいるとか。

2つの異なるかけ流し温泉が楽しめることに加えて、もう一つの魅力である「食」も加わり、この旅館に一度でも訪れたお客は、皆、虜になってリピーター続出!と聞いています。

食事は、それぞれのお部屋での部屋食です。なので自宅と同じように水入らずで寛いで食事とお酒がいただけます。これも湯治では欠かせない条件!
さてさて、それでは噂のお料理をいただくことにいたしましょう。楽しみ~~。

5種盛りお刺身
色彩豊かな一皿です。

程よく漬け込んだ焼き魚
西京焼き銀鱈かな?皮目が香ばしくてお酒が進みます。


いろんなビールにトライ!


いっただきます、カンパイ!

夕食のメニューは、種類豊富でお酒にもごはんにも合う構成、グビグビ缶ビールが進み、呑兵衛にはとても助かります。


魚のしんじょう


野菜の煮浸し

魚のしんじょうのイクラ載せも優しい出汁も美味しいし、野菜の煮浸しもいいですね。


揚げナスの田楽


イチジク煮

揚げナスの田楽とイチジク煮もなんだか懐かしい田舎の味で、更にお酒が進む。

その他にも香の物お味噌汁ごはんです。
そして食後には、2種類から選べる贅沢なデザートもいただけます。
(なのにデザートの画像がありません)
食後は、お盆のまま部屋外の廊下にある銀色のラックに戻しておくシステムです。
ごちそうさまでした。


夕食後程よく休憩した後のお楽しみ!
もう一つのお湯にGO!

「奥の湯」

こちらは「奥の湯」と呼ばれている廊下の突き当りのドアから入る温泉です。
画像ではわかりにくいですが、茶色く濁ったお湯で、香りも独特な鉄っぽい感じがするようです。「手前の湯」より湯温が高めのような気がします。
こちらも滔々ともったいないほど贅沢な湯量、素晴らしいですね。
背中合わせのお湯なのに二種類の自家源泉って凄い贅沢な温泉宿ですネ。

ちなみに「手前の湯」、「奥の湯」と2つのお風呂は基本シンメトリーな作りで、配置が一緒だと思います。洗い場にそれぞれシャワーの設備はなくて、石鹸のみの備え付けです。(シャンプー&リンス、バスタオルは持参してください)


「奥の湯」脱衣所


「奥の湯」の入口の入浴表示札入れ


とりあえず阿部旅館の他の施設をご案内します。

左手前のドアが一号室、突き当りの白いドアがトイレです。
その右手前角に洗面所があります。銀色ラックは食後にお膳を返すところです。


トイレの前の洗面台


洗面台の奥にある二階に上がる階段


一階にある真新しい湯治用調理室


タバコルーム

ちょうど私たちが訪れていたときに、一階にある湯治用調理室が工事中でした。帰るときに見た調理室の状態です。現在はブログではもうすっかりリニューアルオープンされたようでした。真新しい調理室は気持ちよさそうですネ。

こんなふうにしてプチ湯治一泊目が終了しました。
お布団を敷くのはセルフサービスになりますので、セッティングして・・
寝る前にもう一度温泉に入って、ビール飲んで・・
おやすみなさい


ブログ村ランキングに参加しています!
ブログの内容がお気に召せば、クリックをお願いします!ブログを続ける励みになります。>

にほんブログ村 グルメブログ 海外食べ歩きへ にほんブログ村 旅行ブログ 源泉掛け流し温泉へ にほんブログ村 小遣いブログ マイレージへ


鳴子温泉郷 赤這温泉・阿部旅館 プチ湯治 - その弐
鳴子温泉郷 赤這温泉『阿部旅館』プチ湯治中。 今日は、湯治するのにたりないモノや食料を購入することと、温泉近くの湖と高原にドライブ...