■ スケジュール 『パレルモ編』
<2018年>
5月12日~5月15日 ナポリ滞在
5月16日~5月20日 シラクーサ滞在
5月21日(月)シラクーサからパレルモへ、高速バスで移動
5月22日(火)市内を巡り、夜はマッシモで『フィガロの結婚』 このブログ後半
5月23日(水)近郊のチェファルーへ1 day トリップ
5月24日(木)待望のアグリジェントへ1 day トリップ
5月25日(金)市場はしごで昼食、ノルマン宮殿
5月26日(土)州立考古学博物館、ヴィッチオ市場
5月27日(日)パレルモ⇒ナポリの戻りは夜行フェリーで
5月28日~5月30日 ナポリ滞在
2018/5/22(火)旅は11日目後半 ☀ パレルモ
後半今宵は、今回の旅行の中でも特に楽しみにしていたマッシモ劇場でオペラ「フィガロの結婚」観劇、そして家ごはんのスケジュール。
今回のシチリア・パレルモでは、あの有名なマッシモ歌劇場を訪れることを前々から計画していました。しかし時期は5月、なのでヨーローッパではオペラシーズンの最終期となり、良いプログラムに出会えるのは難しいだろうなと考えていました。タイミングが合わず良い出し物がなければ、オペラ鑑賞は諦め、劇場案内ツアーにでも参加するか、ぐらいの軽い気持ちでいました。
ところがです。往復のANA特典航空券の予約をやっとの事で終え、マッシモの上演スケジュールををチェックしてビックリ!大好きなモーツァルトのオペラ、しかも「フィガロの結婚」が、私達がパレルモの滞在予定中に都合よくプログラムされているではありませんか。こんなラッキーなことを逃す手はありません。高鳴る胸を抑えながら、劇場HPから早速チケットを予約、うまい具合にBOX席3席を確保することができました。
「フィガロの結婚」をオペラハウスで鑑賞するのは、2004年2月チェコ・プラハのエステート劇場、2006年6月ハンガリー・ブタペストの国立オペラ劇場に続いて今回が3回目です。歌手、指揮者、オーケストラ、そして何より演出の違いによって同じオペラでも全く違ったものになるので、今夜はどんなオペラが観られるのか、とっても楽しみです。
17:00
開演は18;30ですが、はやる気持ちを抑えつつ、すこし早めにマッシモ劇場へ。アパートから歩いて30秒、目の前です。
● マッシモ歌劇場 オペラ「フィガロの結婚」観劇
マッシモ劇場についたらまずはBOX OFFICEを探します。
大階段を登らないで左手公園の奥に向かいます。
皆さん並んでいました。手にはネット予約したプリントアウトを持っています。
ここに並んでチケットと交換します。
階段の下からと上から見た景色です。
今夜はオペラ上演があるので階段下のゲートには、黒服のスタッフがチェックしています。
ワォ~、黒いイブニングドレスと黒スーツのカップルもいますね。
パレルモ・マンマたちも個性的でビビットなファッション、目立ちますね。
紳士淑女、みなさん三々五々集まってきています。
入口を入ると左手は工事中です。ホールは2階まで吹き抜けの広い空間になっています。
胸像はどなたでしょうか?
マッシモ劇場の模型・ミニチュアが置いてありました。
今上演している「フィガロの結婚」のスケジュールポスターです。
2018/5/18・20・22・24・26の全5回の上演です。(今日はその中日の5/22)
本当にこの時期にここで「フィガロの結婚」を観劇できてカンゲキィ~。
ちょっとオヤジギャグ!でした。
・・
そろそろ場内に案内開始しています。ホールの真ん中のドアから入りましょう。
今回の予約した席、ボックス席3階に向かいます。
3階に向かったら、女性スタッフがボックス席まで案内してくれ、レトロなままのドアを開け誘導してくれました。
ボックス席の中に入って、座る椅子(私達3人は、NO.1,2,3の前席です)を指さして教えてくれました。(平土間の座席とは異なり、BOX席の個々の椅子には座席番号はついていません。一見、普通の椅子を並べているだけです。)
ワォ~、私たちの席は舞台に近いけど・・・
お隣が1番のボックスで、ここは2番のボックス、前列3席、優雅に観劇します。
その3階ボックス席からみた客席です。
内部は、下に見えるのが平土間席、5層のボックス席に最上階は桟敷席、ちょっと遠い感じに見えますね。マッシモ歌劇場は総客席は1300席強でヨーロッパではパリに続く集客力と言われていますが、平土間席は思ったよりも客席数が少ない感じですね。反面、BOX席の割合が多く、横よりも縦に収容力がある立体的構造のようです。
平土間に入る入口上には、音響や眺めの一番いい位置にあるのはロイヤルボックス席(VIP)です。その昔は王様などが観劇するための席、現在は一番高価な席になっています。
ここでチェックのためトイレにも行ってみよう!
開演前なので誰もいません。
トイレに来る経路が複雑だし入るドアが判りにくかった、フウゥ。
劇場内は先程の位置図を見て馬蹄型なので、それに沿った通路がカーブしているので感覚がわかりにくくなります。どうにか私たちのボックス席までたどり着きました。
では、開演までのひと時を会場の雰囲気を楽しんで過ごします。
エッ、天井を見上げれば、円形に鮮やかな天井画に目を奪われます。
客席、舞台とも木材の組木模様の手の混んだ床だったり、真っ赤な緞帳も重厚さが伝わったりして、幕が上がるまでも結構楽しみがあって飽きません。
・・
ワォ~、もうすっかりオーケストラも揃っていますね。ここマッシモのオーケストラ席は、通常よくある形の舞台から一段下に潜った空間でなく、平土間客席と近くて同じくらいの高さレベルなので、一体感が出るのでは・・
そう言えばマッシモの舞台は、客席と同じ面積の奥行きがあるそうです、へぇ~~。
あっ、開演のブザーが鳴り、会場が静かに暗くなってきました。
時間は18:30,いよいよ「フィガロの結婚」の幕があがり・・
軽快な前奏曲のメロディーが
(残念ですが、開演中の舞台撮影は禁止されていますので写真はお見せできません。大道具や歌手衣装はそれほど豪華で凝った物ではありませんがそれなりの雰囲気があり、演出も比較的オーソドックスで好感が持てます。歌手やオーケストラの技量も一定の水準は保っていて、大いに楽しめます。やっぱり、高いお金を払っても来た甲斐がありました。)
・・・
20:30
2時間たって幕間タイムになりました。
この休憩時間はウェイティングバーで白ワイン?なんてお洒落ですよね。
先程ボックスオフィスあたりにあったような?行ってみます。
みなさんも今集まってきたばかりのようで、カウンターの注文には長蛇の列になっていました。時間かかりそうだから、他を回ってみます。
ヨーロッパの他の劇場の幕間タイムは、カウンターにすでに白ワインや赤ワインがグラスについで用意されていて、またたくまに次から次へと効率よくドリンク類をサーブし、みんながあっという間にありつけていたのに。マッシモは少し手順や段取りは悪いようです。
ウェイティングバーの反対側に移動したら、こちらにはリッチなレストランがありました。
天井も高くウェイターが蝶ネクタイで、見るからにお高そうな雰囲気です。
マッシモ劇場は大階段の下にスタッフがスタンバイしているゲートがあるので、幕間にはみなさんこの階段上の円柱まで出て新鮮な空気を吸っていました。今夜のボックス席は空気がこもっているし、人の熱気もあってムシムシ暑苦しい時間もあります。
外は気持ちいいよぉ~、ここでは喫煙もできるようですよ。
そしてやっぱり大階段でみなさん記念撮影していました。
私達は正装はしていないものの、一応は礼儀としてジャケットなどを着用しています。(アメリカでは、あの敷居の高いNYメトロポリタン歌劇場でさえGパン・ポロシャツの観客がチラホラいましたが、ここマッシモは流石にヨーロッパ、あまり浮いたようなファッションの人はいませんでしたね。)
辺りが日が暮れて、周辺のオレンジ色の明かりと空の青色が美しい~。
席に戻る前にちょっとだけ平土間からの舞台を覗いてみます。
マッシモの平土間はフラットに近いようなので、思ったよりも舞台が見えにくいですね。この劇場では、絶対2階、3階あたりのボックス席がオススメです。
ちなみに私たちの席は正面右手の3段目の2つ目のボックスです。
そろそろ次の幕の時間かなぁ、席に戻りましょう。
・・・
と、舞台上ではフィガロの名場面が次々と繰り広げられ、名曲の数々を楽しんでいるうち、あっという間に時間が過ぎて、フィナーレになりました。
[お隣のボックス席にいる観光客(英語の口調から多分イギリス人?)は、公演のまっ最中にもかかわらず、隠れてスマホでステージをずっと撮りまくっていました。そのたびにスマホがチラチラ明るくなって・・これは、著作権に関わるだけでなく、周りの観客にとっても迷惑です。ボックス席は密室なので劇場スタッフから注意されることはないにしても、こんなマナーの悪い欧米人も中にはいるんですね。初めて見ました。おい、イギリス人の評判を落とすよ!]
上の写真は、公演を終えた直後の舞台挨拶です。ちょうど左からマエストロ(指揮者)、スザンヌ、そして手をかざしているのがフィガロです。
ここで、今回のオペラ公演についての感想・コメントを少し【太 記】
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マッシモ劇場でモーツァルトの『フィガロの結婚』を観ることができるなんて、なんとも貴重で嬉しい体験を味わうことができました。思ってもいないハプニングがありましたが、舞台の内容は大変素晴らしく、期待を裏切らないものとなりました。歌手やオケも出来がよく、大いに楽しめました。
オペラ開演直後の出だしのしばらくの時間は、指揮者は、なんだか固くイマイチでした。指揮者とオケ、歌手陣との間で息が合わず、本番中にもかかわらず数小節の音楽を演奏し直すというハプニングが発生。過去何十回とオペラ鑑賞していますが、こんな光景を見るのは初めてです。客席の皆さんもざわつきはじめました。果たしてこんなんで大丈夫なのか、と誰もが心配しだしました。
しかし、そのような観客の不安をよそに、指揮者は何事もなかったように至ってマイペース。やがて舞台が進むに連れ指揮者本人は次第にノッてきたようで、以降は快演の連続。歌手もオケも指揮者のノリにつられて素晴らしい出来に変わってきました。
(上の写真、スーツ姿の白髪の老紳士がこの指揮者です。彼は、私が知らない名前でそれほど有名な指揮者ではないようですが、かなりの頑固者と見受けました。ちょっと、オットー・クレンペラーに似ているかな。確固とした信念と演奏スタイルを崩さず、あくまでマイペース。ひょっとして、本番中の演奏やり直しは、彼はしょっちゅうやっているのでは??もしかしたら、これは彼固有の演出の一つで、わざとやったりして、常習犯???・・・いろんな疑問が湧いてきます。私は、この指揮者が好きになりました。)
スタジオ録音のオペラとは違って生のオペラはその場の雰囲気でどのようにも様変わりします。今回の舞台はまさにそのような典型例だったかも知れません。こんな出来事に接することができるのは、生のオペラだからこそであり、オペラの醍醐味と言って良いかも知れません。
『フィガロの結婚』は風刺のきいた喜劇なんですから、公演上の音楽・舞台の些細なテクニックや音楽上の解釈など小難しく考えるのではなく、何よりもオペラそのものを楽しめるかどうかが大事なポイントと思います。その点、今回は十分合格点が与えられる舞台内容だったと思います。演出も、近頃流行りの奇をてらったものでなく、至ってオーソドックス。私のように昔ながらのオペラファンには安心感があり好ましく思えました。
オペラハウスで生の『フィガロの結婚』鑑賞は、前に書きましたようにこれで3回目ですが、プラハやブタペストのときと比べ、今回の舞台が一番の出来のように感じました。
『やっぱり、オペラはいいなー、モーツァルトはいいなー』と、改めて身に染みて感じることとなり、また、思い出深き公演にもなりました。
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時間はすでに午後10時半、ほぼ4時間マッシモ劇場で素敵なひと時を楽しめました。
この一枚は、みなさんボックス席から一斉に立ち上がってドアに向かいくるりと振り返ったところです。みんな同じタイミングってこと!!面白い。
あぁ~素晴らしかった「フィガロの結婚」の余韻を噛みしめながら、あの有名な大階段を下りています。そして家路に急ぎます。
ちなみにみなさん近所の人ばかりではないですよね。
でも、私たちは直ぐそこ、歩いて30秒。遅くなっても安心です。
ハイッ、もう帰り着きました!!!
振り返るとマッシモよ!
マッシモ劇場の周りには若いパレルモっ子たちが、今日も座って話し込んでます。
毎晩12時過ぎまで賑やかなんですよ。
22:35
お部屋に戻って・・
早速軽く家ごはんの用意します。
午前中からそら豆茹でておいたので、イカとムール貝に火を入れます。
5/22夜・家ごはん
仕込んでおいたので15分で、あっという間に出来上がり。お腹空いたぁ~。
窓からマッシモを眺めながら、白ワインでカンパーイ!
採れたてパレルモのそら豆!
小ぶりだけど柔らかくって甘~い!
市場で購入のイカは、熱湯に白ワインと塩でさっとゆでる。
持参のわさびとお醤油でいただきま~す。
コッセ(ムール貝)もさっと白ワイン蒸しで。
ちょっと半生っぽいすぎた?柔らかくって美味しい!
これはデリカテッセンで買った「ズッキーニロール、肉団子」
市場で買った大きめのゴツいレモンを絞っていただきます。
先程観劇したマッシモの話で盛り上がって、赤ワインまで飲んでます。
そして旅も11日目、盛りだくさんの一日もこの辺でおやすみなさい。